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コーヒーでも飲んで気持ちを落ち着かせよう。
そう思って給湯室に向かったら……
「今回のプロジェクト
何でサブリーダーAさんなんだよな」
「それな〜、子育て言い訳にして
ろくな仕事してねぇのに」
「俺らは前から残業してたってのに
急に帰れなくなったからってピリピリして」
うざいよな〜って話していたのは
さっき私が資料のことで少し
キツい口調になってしまった後輩と、
その同期の子だった。
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……うっわ。なんかこれ、無理かも。
想像以上のダメージを食らい
その場に立ち尽くしてしまった。
でも、言ってることは事実だ。
大学を卒業して新卒で入った会社は
すぐに妊娠、結婚してしまって辞めてしまった。
大貴を出産して間もなく離婚して
生活のために、と何件も面接を受けに行って
その度に「子供が熱出したらどうするの?」とか
色々言われて落とされまくって。
それでも必死に食らいついて
やっとの思いで今の会社に入ったけれど。
入って早々、子育て関係の福利厚生
使いまくってろくな仕事してなかった、な。
いくら後輩と言っても
私がいない間に、私以上の仕事を
こなしてきただろう。
それなのに、サブリーダーが私で
ちょっと偉そうな態度取られて……
ムカつかないはずがないよね。
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頭では冷静にそんなことを考えている。
でも体は正直で、
サーッと血の気が引く感覚。
と同時に、目頭が熱くなってきて……
28歳にもなって職場で泣きたくない!
「っすみません! お昼出てきます!」
時刻はとっくにお昼なんて過ぎていたけれど
誰の返事も聞かずに、オフィスを飛び出した。
動かない体に鞭打って。
自然と向かっていたのは。
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作者名:めもり | 作成日時:2021年11月21日 21時