初めて秘密を作った日 2 ページ27
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「ダメじゃない。ちょっと、遠回りする？」
『ん、遠回りする。』
Aのお家と逆方向。緑の芝生が植えてある、大きな公園。
そこに入って、ベンチに腰掛けて二人でなんでもない話をする。
そうやって話してる間中、落ち着きなくAの手を握ったり、指を絡めたり。
じんわり首筋を伝う汗も気にならないのは、俺たちが若かったからかな。
レッスンで失敗して怒られた話とか、面白かったジュニアの子とのやりとりとか、学校での話とか。
全部を楽しそうに聞いてくれるAを見てたら、可愛くって、愛おしくって堪らなくなった。
あぁ、やっぱりこの子の全部が欲しいな、って。素直にそう思った。
「ねぇ、A。キス、していい？」
『え？今？』
「そ、今。今、したいの。」
顔を真っ赤にしながらも、そっと目を閉じたA。
片方の手は指同士を絡めたまんま、片方の手をほっぺに添えて、そっと、ゆっくりと唇を重ねた。
先輩の出てたドラマの、見よう見まねの、触れるだけのキス。
夜の公園、ベタすぎるし、夏の終わりを告げるみたく蝉はけたたましく鳴いてるし。
ムードも何にもないけど、でも、甘くて、柔らかくって、忘れられない。
そのまま手を繋いでAの家まで帰って、結局離れるのが名残惜しすぎて。
終電ギリギリまで玄関の影に隠れて身体をくっつけてキスをして。
今思えばバカみたいだけどね。
あの頃はバレてないって思ってたけど、頃合いを見計らったみたく玄関から出てきたAのママに「ジェシーくん、終電ギリギリだから駅まで送ってあげる」なんて笑われて。
Aのおうちの車で送ってもらう間も、名残惜しくAのママにバレないように後部座席でちょこん、って指を少しだけ絡めたり。
寂しそうに駅で見送ってくれるAに、人目も憚らずにそっとキスをして。
今考えると絶対やらないようなことだけど、甘酸っぱくて、くすぐったい、そんな想い出。
ジェシーくんと、紡ぐ日々。
初めてのキス、覚えてる？
ムードも何にもない、夜の蝉が鳴く公園。
あの時の公演の空気だとか、少しだけ涼しくなり始めた風だとか、全部覚えてるよ。
浮かれて帰宅したところをマミーに見つかって詮索されたけど。
どこのお家もマミーは鋭いね。
「ナイショなの！」なんて君との秘密を作ることに嬉しさを感じた、16歳の夏。
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まるちゃん(プロフ) - りょうさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！Twitterの方にもお二人のお話たくさんありますのでぜひ遊びに来てくださいね(*´꒳`*) (2023年3月1日 10時) (
レス) id: b0a219297e (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 末ズ担なので森本さんの作品に続きこちらも一気読みしちゃいました…！素敵なお話ありがとうございます！！すっかりまるちゃん様のファンです！何度も読み返します(*^^*) (2023年3月1日 2時) (レス) @page50 id: 57a859145d (このIDを非表示/違反報告)
まるちゃん(プロフ) - まぐろさん» コメントに気づかず、申し訳ありません！目黒さんの方にも幸せになって欲しい！ってコメントくださってましたもんね(*´꒳`*)こちらでは、存分に幸せになっていただきました！♡ (2022年1月7日 22時) (レス) id: b435b572fa (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ(プロフ) - ジェシーが幸せそうで嬉しいくなりました！何回も読み直すほど大好きです！ (2021年12月18日 22時) (レス) id: 413233b421 (このIDを非表示/違反報告)
まるちゃん(プロフ) - maru05032さん» 嬉しいコメントをありがとうございます♪どちらが先に出せるかはわかりませんが、楽しみにお待ちくださいね(*´꒳`*) (2021年10月10日 11時) (レス) id: b435b572fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるちゃん
| 作成日時：2021年9月22日 19時
