ハッピーエンドは、ジェシーくんと

あなたが異性に変わった日 ページ4

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気づいたら、隣にジェシーがいた。
私は神奈川、ジェシーは東京。
少しだけ遠くて、でも少しだけ近いところで育った私たちは、いつの間にか一緒になってたかというと、そうでもない。

はっきりと、私がジェシーを男の人って意識して、誰のモノにもしたくないって思ったタイミングがあった。


剣道に打ち込んでた学生時代。
幼なじみにジャニーズがいる、なんて友だちに打ち明ける暇もないくらいに毎日のように道場に行っては稽古に明け暮れてた高校生のころ。
推薦をもらって、東京の強豪校に進学した１年生の時だった。

放課後の教室、部活への準備をしていたときにクラスの女の子達の会話が聞こえて来た。





「ねぇ！昨日バカレア見た！？」



「北斗くんがめっちゃかっこよかった〜！」



「えー、私は断然慎太郎なんだけど！」




そう言えば、ジェシー、慎太郎たちとドラマに出るんだ、って言ってたっけ。
そんなことをぼんやり考えながら道着の支度をして、武道場に行こうとした時、ふと私に投げられた声。





「あっ、白雪さん！ちょっと話そうよ〜！」



「私たちね、白雪さんのファンで、話してみたかったの！」





美人で強くて憧れなの！なんて言ってるけど、私からしたら貴方たちがちょっとだけ羨ましい。



キラキラした、可愛い女子。


私と違って、髪の毛もくるんと巻いて、ちょっとだけ染めたりもして。
高校生らしく少しだけ背伸びしたお化粧。
ぱっちりと塗られたマスカラに、色付きのリップで仕上げられた可愛い顔。

動くたびに感じる香水の香りも、綺麗に伸ばされてトップコートを塗った指先も、私にはないもの。





「白雪さんもジャニーズとか見たりするの？」



『うーん、あんまり詳しくはない、かな？』



「そっか〜、私ね、ジェシーくんが好きなの！
ジェシーくんって私たちと同い年でしょ？あんな子同級生にいたらドキドキしちゃうよね〜！」





ほら、これがジェシーくんだよ。

茶髪のツインテールを可愛く結わえた桃みたいな甘い香りがする彼女が見せてくれたのは、よく知ってるけど、私の知らないジェシー。






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