#西の王子様。 ページ9
お昼時間。
先生に呼び出された志穂の代わりに
私は購買部でパンを買うことに。
「 … …多い。 」
そこは想像の遥か斜め上をゆく戦場だった。
い、行けるかな。
立ち竦んだ脚になんとか力を入れて
志穂の大好物であるクリームパンを勝ち取るべく
私は戦場に踏み入った。
「 あ、… クリームパン 」
籠の中にはラスト1個のクリームパンが…。
揉みくちゃになりながらも
グッと腕を伸ばす。
けど、惜しくもあと数センチで
他の人に取られてしまった。
志穂、ごめん。
クリームパン買えなかった…
しょんぼり肩を落としながら
教室に戻ろうとしていると、
道枝『 ん。 』
突然、目の前に差しだされたクリームパン。
「 え? 」
顔を上げると、そこに居たのは
朝電車で会った道枝くんだった。
「 どうして… 」
道枝『 これが欲しかったんやろ? 』
そう、、だけど。
なんで道枝くんが私にくれるの?
いまいち状況が理解できなくて
ただボケッと彼の顔を見つめたまま固まる。
道枝『 いいから。はい 』
彼は私の手にクリームパンを置いて
さっさと行ってしまった。
.
.
え ?
あ、…ん ?
手のひらのクリームパンを見つめる私。
はっ、お金!!!!
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作者名:hani | 作成日時:2020年4月24日 23時