東西王子（道龍） (ページ7)

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＃彼って。ページ7

［ A side ］

夜遅くまで受験勉強をしながら

彼、龍ちゃんと電話をする。

数学の問題を解いてて、ふと静かになったな～て。

「龍ちゃん？」

呼んでみても、全然返事なんかなくて

思わず笑ってしまった。

「おやすみなさい」

毎日そう言って電話を切る。

何だかんだ言うけど、

やっぱり先に寝ちゃうとこは本当に変わらないな。

どこまでも純粋で、可愛くて

ファンの子に赤ちゃんみたいって言われるのも

納得できる。

「よし、あと1ページしたら寝ようかな」

そして私は再び数学の問題に励んだ。

．

．

．

朝、いつものように満員電車に揺られながら

学校に向かう私。

スマホの画面を鏡がわりにして

前髪を整えていると

ピコン、と龍ちゃんからメールが届いた。

龍ちゃんおはよう
龍ちゃん昨日、結局寝ちゃった(._.

「ふっ」(笑

ほんと可愛い。

あっかんべーって絵文字をふざけて送ると

またしょんぼりスタンプを返された。

それを見ては笑ってしまう

ここが電車の中だと言うことも忘れて… …。

前から視線を感じて

ふと顔を上げると、同じ高校の

道枝駿佑という男子がこっちを凝視していた。

はっ、ひとりで笑ってたから

変な奴って思われた？

そんな時、ちょうど下車駅に着いた。

よし、今日も勉強頑張らなきゃ

龍ちゃんとの約束を、

守らないとね。