ないものねだり__ 2 (ページ12)

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慎「あ！そんなとこに居たのー！？」

慎太郎の馬鹿でけえ声が部屋中に響きわたる。

周りを見ると、慌ただしくしている

メンバーとスタッフとマネージャー。

俺たちとおんなじで固まっている。

そんなことを思ったのも一瞬で、

みんなは安心したかのように肩の力を抜いて、歩み寄ってきた。

髙「お前らのことずっと探してたんだぞ～。」

慎「2人同時に居なくなったから宇宙人に連れ去られたかと思ったじゃん！」

北「ほんとびっくりした。」

大「一生懸命探したのに～。」

ジ「AHAHA!! ごめんごめん笑」

俺は、申し訳ない気持ちよりも先に、

メンバーに愛されているのだと、改めて感動してしまった。

慎「樹～？聞いてる～？」

下を向いていた俺の顔の目の前に

慎太郎の顔がニョキっと現れて、俺はハッと我の帰り、皆の顔を見てまわる。

樹「聞いてる聞いてる。ごめん、わざわざ探させちゃって。」

みんなは怒ってる顔ひとつせず、

優しい顔で微笑んだ。

髙「いいよ別に笑ていうか、なんでお前らそんなとこ居たの？」

俺はなんて説明したらいいか分からず、

言葉を詰まらせる。

するといきなり、隣にいたジェシーが俺の肩を組み、

顔を近づけた。

一瞬にして自分の頬が熱くなっていくのが分かる。

それからジェシーは、にやにやしながら質問に答えた。

ジ「ひ・み・つ♡」

語尾にハートがつくような言い方をするジェシーは、

今この時間をすごく楽しんでいるようだ。

顔から浮きでている表情が、何よりの証拠。