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「ねえ。三葉さんって彼氏とかいんの?」
しんちゃんとジェシーくんが大熱唱している中、隣に座っていた目黒くんが急に話しかけてきた。
「いないよ。」
「そうなんだ。じゃあ、好きな人は?」
「いない。」
「え、てっきり北斗くんのことが好きなのかと思ってた。」
「まだ今日知り合ったばっかだもん。」
「へぇ。」
興味深そうに返事をしてきたけどその後さらに質問してくることは無かった。
「なあなあ!Aちゃん歌わへんの?」
向井くんがそう言ってマイクとタブレットを持って隣にやってきた。
初めて一緒にカラオケに来たメンバー私が歌が嫌いだということを知らない。だけど、盛り上がっている雰囲気も壊したくないと思って、
「ごめんね、今喉からしてて。だから歌えないんだ。」
「そーやったんか!じゃあ俺の歌声聞いててや〜!」
私の嘘は特に怪しまれることもなく向井くんは渡辺くんを無理やり誘って歌いに行った。
「A〜北斗が歌うって!!聞いててあげな!!」
樹がさっき向井くんが座った場所に座る。
「かなり上手いよ。Aからしてどうかな〜?」
って、私にしか聞こえない声で呟いきた。
「みんな上手いよ。」
「まぁ聞いてなって。」
君の声が、君の手君の匂い
今でも思い出せる。
強がっては自分ばかりの僕の隣で笑ってくれた。
(君が思い出す僕は 君を愛しているだろうか/V6)
やっぱり歌っていいな。
そう思った瞬間だった。
だけど、その感情は一瞬で渦の中に沈んで行った。
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kiki(プロフ) - ななさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年6月16日 13時) (レス) id: 7c1277aca9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月8日 1時) (レス) id: edbee8e2a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キ キ | 作成日時:2020年6月4日 20時