この音に乗せて (ページ9)

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放課後。

学校から直接カラオケに向かう。

樹、しんちゃん、松村くんが前にいて、その後ろに私と浅葱が歩いている。

もうすぐ着くって時に目の前に4人が既に集まっていた。

｢あ、慎太郎～、遅せぇよ。｣

｢ごめんごめん。帰りのHRで阿部ちゃんの円周率についての語りが止まらなくてさ。｣

しんちゃんと話しているのはお肌が綺麗な男の子。

多分誘った4人の中の誰かだと思う。

｢A！こいつが、渡辺翔太！｣

｢え、俺の名前知らない奴いんの？｣

｢うわ、自惚れんなって言いたいところだけど本当の事だしな～笑でも多分Aは知らない。｣

｢俺は三葉さんのこと知ってる。めっちゃ美人。｣

｢お前！Aのこと狙うんじゃねえ！｣

しんちゃんに連れられて4人の前に立った私。

どうすればいいんだろうと必死にしんちゃんに助けを求める。

そんな願いが届いたのか届いてないのか、しんちゃんはニコッて笑いかけてくるだけだった。

｢渡辺くん。初めまして。三葉Aです。｣

｢ん、よろしく。｣

｢よろしく、お願いします。｣

｢敬語要らないし。｣

｢分かった。｣

その後も、

｢俺ジェシー！！よろしく！！AHAHAHAHAHA！！｣

笑い声が独特な方や、

｢どうもみんなの万能調味料こと塩麹よりも向井康二です！！｣

塩麹さんや、

｢目黒蓮。｣

ちょっと話しかけずらい方など、

残りの3人が自己紹介をしてくれた。

私が名前とよろしくお願いしますって言うとこぞって｢敬語いらない！｣とか、｢連絡先交換しよ～｣とか、言ってくれてとても嬉しくなった。