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「あのさ、Aちゃん。無理してない?」
「ん、何が?体調はもう良くなったから大丈夫だよ!」
「そうじゃなくて。寂しくない?」
なんで、
「別に、」
「独りなんでしょう?今。」
そりゃ、みんな仕事に、
「昨日、帰ってこなかったんだって、?」
どうして、松村くんが知っているの、
「今日の朝ね、お兄さんから連絡が来たんだ。寂しがってると思うから、って。お兄さんさ、凄いAちゃんのこと心配してたよ。Aちゃんは、独りじゃないよ。お兄さんもいるし、もちろん、俺もいる。」
昨日、我慢していた、涙が今頃になって溢れてくる。
松村くんの優しさが、松村くんの温かさが私の心のリミッターを外したのか、無くなっていた感情が蘇ってきた。
「ねえ、Aちゃん、今寂しい?」
電話越しに聞こえる松村くんの声。
すぐ近くにあるような気がして。
「寂しい時は、言ってって言ったよ。どこにでもすぐ飛んでいくって。今、どのくらい寂しい?」
「凄く、とっても、めちゃくちゃ寂しい。」
叫ぶように伝えた。
すると松村くんは、
「ちょっと家のドア、開けてみ?」
と、言う。
まさかとは思うけど、
寝巻きのままだし、涙でぐしゃぐしゃになった顔のことなんて忘れてドアを開ける。
そこには、
「ね?飛んできちゃった。」
松村くんがいた。
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kiki(プロフ) - ななさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年6月16日 13時) (レス) id: 7c1277aca9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月8日 1時) (レス) id: edbee8e2a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キ キ | 作成日時:2020年6月4日 20時