この音に乗せて (ページ36)

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｢今日は、ありがとう。｣

｢こちらこそ。服もありがとう。｣

｢ふふ。どういたしまして。｣

あの後、カフェに行ったり、音楽ショップによったりしてたら、すっかり暗くなった。

電車に乗りながら松村くんとお話をする。

｢あのさ、良かったら、また一緒にお出かけしない？｣

そう私に聞いてくる。

｢もちろん。｣

｢良かった。今度はさ、古着屋さん行ってみたいんだよね～。｣

今日初めて知ったことがある。

松村くんは服にこだわりが強いらしい。

そして、意外とお喋りでよく笑う。

｢ふふふ。｣

洋服について熱く語っている松村くんを見ていたらなんだか可愛いなって思って、つい笑い声が出てしまった。

｢何笑ってんの？｣

少しムスッとした顔で覗いてきた。

｢なんでもないよ。｣

｢嘘だ～。俺の事見て、笑ってたでしょ！｣

顔になんかついてる～？なんて言ってほっぺをつねっている。

｢ごめんごめんって。古着屋行こうね。｣

って言うと、松村くんはまたパァっとした笑顔になってうん！って大きく頷いた。