この音に乗せて (ページ35)

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｢Aちゃん？どうしたの？｣

丁度松村くんが私の元にやってきた。

手にはさっき選んだ深緑のズボンと柄物のシャツがある。

｢これ、松村くんに似合いそうだなって思って。｣

｢いいなぁそれ。買おっかな。｣

そう言って松村くんは私が見ていたTシャツを2枚とった。

1つはLサイズ、もう1つはＭサイズ。

｢2つ買うの？｣

｢これさ、Aちゃんが良ければお揃い、なんて、どうかな？｣

え、？

｢…ダメだった？｣

しゅんとした顔で覗いてくる。

｢あ、！全然、大丈夫！｣

まさか、お揃いにしようなんて言ってくると思わなかったからビックリした。

けど、素直に嬉しい。

良かったぁ。なんて言って、松村くんはその2枚をとってお会計に向かっている。

少しして2つ袋を持って戻ってきた。

｢あ、松村くん！自分の払うよ。｣

｢俺が言ったんだから、俺に払わせて？｣

｢でも、｣

｢プレゼント。今日、買い物付き合ってくれたお礼だから。｣

｢ありがとう。｣

ても、松村くんは袋を渡さないで持ったまま。

｢帰りまで持っておくね。｣

気になってたのがバレたのかそう声をかけてくれた。

もう一度、ありがとう。

って松村くんに言うとどういたしましてって、微笑んでくれた。