片想いの行方 (ページ50)

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50_ジョンハンside ページ50

こうして何もせずAといる時間をただ楽しむ毎日が過ぎていった。ジスは好きなんじゃん？なんていうけど、ドキドキもトキメキも何もなかった。

ただこいつといたいだけ。こいつといると楽なだけ。
それがどうして恋と言えるんだ？
ジスと一緒にいるのが楽なように、Aと一緒にいるのだって楽だ。

高校3年生の卒業間際。最後の席替え。
みんなガヤガヤしている。自由席だからだ。
俺はジスと座る気満々だったし、Aも友達に囲まれていた。

自由席って事もあって、男女関係なく混合だった。
俺は一番人気の窓際の一番後ろを勝ち取り、その前にジスが座った。

Aは運がないのか真ん中の前から2列目というなんとも中途半端な席。あとでからかってやろう。

そして俺の隣に座ったのが、その後俺に告白してくるリウンだった。

リウンはAと真反対な性格で、穏やかで穏便な感じ。
そんな子がなんで後ろの席に座ったんだろう？なんて思ったけど、別になんとも感じず。

JH「よろしく。」

RE「あ…よろしくね。」

最初は堅苦しかったけど、話してみるとリウンは意外と面白い子だった。見た目によらず、少年漫画が好みだったり。休日にはよく弟とゲームをしたり。

そんな話を授業中にして盛り上がっているとたまに先生に怒られる事もあった。

日常と化していたAの観察は、リウンが隣になることでなくなっていったのだった。

JH「俺、別にAのこと好きじゃないや」

JS「そうなの？」

JH「うん。別に今そんなに観察してないしさ～。ジスヤも早とちりすんなよ～。」

JS「ん～ごめん～。」

ジスが適当に謝るもんだから、おい！なんてふざけていたんだけど。こんな風にふざけられるのもいつまでなんだろうな…って考えると寂しくもあった。