信じない3 ページ3
「みっ、皆さん!助けてください!!」
香奈江がぐすぐすと泣き出す。
傍から見れば守ってあげたくなる系女子だ。
くそう。可愛いっていいな。
「何だ?鶏にでも襲われたのか?」
鶏から離れてください紅葉先生。
「に、鶏なんかよりもずっと怖いです!」
「何があったんだよ?」
「し、司書さんがぁ・・・・」
「司書?」
全員の目線がこっちへ送られる。
何だこのめちゃくちゃ気まずい感じ。
ってか怖い。
「「お前邪魔だ」とか「ベタベタしてんじゃねぇよぶりっ子」とか言ってきてぇ・・・・」
「・・・・・・ふぅん」
藤村は興味なさそうに相槌を打っていた。
え?何で興味ないの?そこは何か反応しろよ。
「ええ!?し、司書さん!それ本当!?」
そうそう、太宰みたいに。
『・・・・・・そうだよ。私、殴ろうとした』
「え・・・・」
太宰の顔色がみるみる悪くなっていく。
・・・・ごめんね。
でも、こうしないとみんなが危ないから。
『だって、そいつムカつくんだもん。私、みんなのこと大好きだからさ。取られるんじゃないかと思って・・・・咄嗟に殴ろうとしたんだけど、失敗しちゃったなぁ』
流石に本人が認めてるんだから、信じないわけないでしょ。
これで私も、かの有名な悪女に仲間入りか・・・。
ちょっと悲しいな。
なんて心の中でため息をついていると
「司書さん・・・何でそんなことすんだよ・・・・」
太宰がツカツカと私の元に歩み寄り、手をぎゅっと握った。
.
.
.
「司書さんの綺麗な手に傷ができるかもしんないだろ!?」
『・・・・・・・・はい?』
泣きそうな顔でそんなことを言ってのけた太宰に、思わず聞き返す。
え、なに?これどうなってんの?
私、殴ったって認めたよね?
(殴ってないけど)
なのに何で私が心配されてんの?
さ、流石に他の文豪は軽蔑してる・・・よね・・・・?
「全くだよ、もう・・・・殴りたい相手がいるならちゃんと僕達に言って。代わりに殴るから」
あ、あの?重治?
「僕達を取られたくないだなんて・・・・可愛いね、司書さん」
あ、芥川先生??おーい???
「司書さんに何かあったら俺死んじゃうからぁ!!」
太宰は一旦落ち着いてくれ。
え?あの?なんか違うんだけど??
「ひ、被害者は私ですよっ!?」
「?殴られるようなことするお前が悪いんじゃねぇの?」
啄木ってばめっちゃドライじゃん。
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恣希晴(プロフ) - 無頼派は演技派だった………?あ!とてもおもしろかったです!更新頑張ってください! (2020年8月11日 16時) (レス) id: 07c5bd7554 (このIDを非表示/違反報告)
桜花 - んあぁぁぁぁってさけびそうになってしまった、今日この頃。 (2020年5月25日 22時) (レス) id: 9a06ec1f91 (このIDを非表示/違反報告)
白月刹那 - スッゴいおもろかったです!!泉さん出てこないかな(小声) (2020年5月25日 19時) (レス) id: 180d84e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピノ - 面白かったです!更新頑張ってください!! (2020年5月18日 20時) (レス) id: 8db0015855 (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - 頑張ってください!更新ドンドン頑張ってください! (2020年5月18日 15時) (レス) id: e1b4f2426f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2020年5月2日 22時