信じない5 ページ5
〜北原一門〜
-----------------------------------------------
「全く、面倒なことになったね」
煙草をふかしながら眉を顰める白秋先生。
その両隣には犀星と朔さん。
不機嫌そうな白秋先生の前で無事に悪女でいられるか、不安でしかない。
もはや返答次第では殺されるんじゃ・・・・?
最悪、両隣の人達にやられそう。
「さて。司書さん、自分が何をしたのか・・・・ちゃんと分かっているんだろうね?」
こわっ。こんな怖い尋問は初めてだよ。
しっ、しかし悪女を演じなくては!
『別に私は悪くありませんよ。あの女狐が調子に乗るから』
「だからって殴るのはダメだろ!」
犀星が立ち上がる。
「殴ったら司書が悪者扱いされるんだぞ?それなら椅子で殴ったほうが事故にしやすい!」
『・・・・・・・・What???』
今この人なんて言いました?
椅子で殴ったら事故にできる??
ん????
困惑している私を他所に、朔さんと白秋先生が話し始める。
「殴る手前で良かったね・・・次から椅子使ってね」
『あの、朔さん??』
「死んでほしいと思うほど憎んでいるのなら、僕が今すぐにでも殺してきてあげるけれど」
『いえ死んでほしいほどではありません!!!!』
拝啓、香奈江。
お前殺されそうだから気をつけろよ。
主に白秋先生に。
思わず否定してしまった。
あれ??私悪女感だしてるよね?ビックリするくらい悪い奴だよね?
何でこの人達は私に味方するんだろう。
『あの・・・・私、何も悪くない人を殴ろうとしたんですけど・・・?』
「いやいや、司書が何の理由もなしに殴るわけない。だよなぁ?」
「うん。僕達の知ってる司書さんはそんな人じゃない」
『その言葉は嬉しいけど〜〜〜〜!!!』
「ふっ。心配することは無いよ」
頭を抱える私を見て優しく微笑んだ白秋先生。
「あの子が君を侮辱したことは知っているからね」
『・・・・え?』
「君は僕達を守るためにそんな嘘をついているんだろう?」
『聞いてたんですか!?』
「あれ、本当だったのかい?」
そこまで言われて気付く。
・・・・・この人。
「カマかけましたね!?」
『ごめんね。でも、そうか。彼女は君にそんなことをしたんだね』
「・・・・あの、先生?何もしませんよね?」
私の問いには答えず、彼はただ冷たい瞳で遠くを見つめた。
「ふふ、どうやって後悔させてあげようか」
・・・・香奈江、今すぐ逃げろ。全力で。
159人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恣希晴(プロフ) - 無頼派は演技派だった………?あ!とてもおもしろかったです!更新頑張ってください! (2020年8月11日 16時) (レス) id: 07c5bd7554 (このIDを非表示/違反報告)
桜花 - んあぁぁぁぁってさけびそうになってしまった、今日この頃。 (2020年5月25日 22時) (レス) id: 9a06ec1f91 (このIDを非表示/違反報告)
白月刹那 - スッゴいおもろかったです!!泉さん出てこないかな(小声) (2020年5月25日 19時) (レス) id: 180d84e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピノ - 面白かったです!更新頑張ってください!! (2020年5月18日 20時) (レス) id: 8db0015855 (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - 頑張ってください!更新ドンドン頑張ってください! (2020年5月18日 15時) (レス) id: e1b4f2426f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかづち | 作成日時:2020年5月2日 22時