脇役同盟。２ (ページ11)

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『あ～だめだよ、目腫れちゃう』

両手で目をごしごし拭く私の手を

ジス先生に握られる

距離が……近い…

『…ミンギュくんはすごいなあ、
Aさんを色んな顔にさせるね？』

「いや…
あいつは私を怒らせるし泣かせるしもう…」

『一番笑顔にさせてるのもミンギュくんだよ』

……そうなのか？

『僕の本音聞いて？今ね、すっごくミンギュくんが恨めしくて、羨ましい』

私を握る両手が先生の胸にいく

『…わかる？こんなに今、ドキドキしてる』

先生の心臓の音を感じる

『やっぱりAさんの幸せそうな笑顔が見たいし、
それをできるのは…僕じゃない

これからも、Aさんを見守れる先生でいたいな』

…なんて返せばいいのかわからない…

『…今までと変わらず接してくれる？』

「…もちろんです！…また、先生に会いに行きます」

『ふふ、最後まで可愛い事言わないでよ』

「…先生こそです、嬉しいことばっか言ってくれるから元気でてきた！』

『そう？なら良かった
…じゃあ気をつけて帰ってね、夏休み楽しんで』

「はい！…じゃあ、また」

『あ、それと、Aさん！』

…好きだったよ、ありがとう

そう笑みを浮かべる先生につられて私も微笑み、

ゆっくり手を振った

…あ、かばん取りに教室戻らなきゃ

夏休み前日にわざわざ学校に残る人はいないみたいで

教室に入ってもがらりとしている

…なんか、久々に静かだな

罪悪感と悲しさが静かな雰囲気をより重くさせる

とぼとぼ下駄箱まで向かっていると

…どん、

何かにぶつかった…壁か

『ちゃんと前見て歩いて』

たしかに前向いてなきゃ危ないよな…

って……

『今俺のこと壁だと思ったでしょ』