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第5話「自責の味」 ページ7

そして食事会。


「さっき知らない女の子と踊ったら足、踏まれた。なのに謝りもしないとか、意味わかんない。」


イースは不機嫌。


そりゃあお嬢さんともなれば高いヒールを履いているだろうし、そのヒールの尖った部分を踏まれたりでもしたらもう…相当痛いだろう。


そして踏まれた場所がつま先だったとしたら、痛い。かなり痛い。


「それは災難だったね。とりあえず魚食べて機嫌治して。イース、魚大好きでしょ?」

「まあ好きだけど…」


わたしが差し出した魚をイースは無言で食べる。


「A、さっきは済まねえな!いっぺんダンスの相手してやっぺと思ったんだけんど…」

「ううん、気にしないで!わたしのほうこそ相手ができなくて…」

「あんこ、やかましい。」


そんな話もほどほどに、ダンがワインを持ち寄る。


「Aも一杯どうだっぺ?」


答えに困っているとイースが代弁してくれた。


「A、お酒は飲めないんだ。代わりにジュースくれる?」

「そっか。じゃあ、しゃあねえな。」


お酒が飲めなくてダンに申し訳ない気持ち。イースが気を利かせてくれたことに、心配してもらって悪いなという思い。そしてわざわざジュースを頼んで仕事を増やしてしまってごめんなさいという感情。


それらが心に渦巻いて、食事もまずい。


ひたすら自分を責めることの煩わしさ。


それを甘いジュースと一緒に喉の奥へと流し込んだ。

第6話「椿姫」→←第4話「やさしさ」



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ランリ(プロフ) - いやいや作品全て見ましたがとてもいいのばかりでした。 (2015年7月4日 8時) (レス) id: 14ecb5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ランリさん» エストニアオチですか…考えてみます!でもわたしはけっこう思いつきでものを書くので、短期間で書けても内容は薄っぺらいことがほとんどですよ。 (2015年7月4日 4時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ランリ(プロフ) - こんな短期間でかけるなんてすごいです。次の長編のオチはエストニアがいいなーって思ったりもしながら見てます。頑張ってください (2015年7月4日 1時) (レス) id: 14ecb5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - Ocean Of Stars2865さん» 憧れるだなんて恐縮です(;・∀・)それに待っていてくださるなんてもっと嬉しいです。ありがとうございます! (2015年1月18日 16時) (レス) id: ded5f9c70d (このIDを非表示/違反報告)
Ocean Of Stars2865(プロフ) - 主人公の気持ちに同感して、この話がすごく気に入りました!!こんなに感動する話が作れるスノーデイさんはめっちゃ憧れます(*≧∀≦*)これからもスノーデイさんの素敵な話を待ってます(*´∀`)頑張ってください!! (2015年1月18日 14時) (レス) id: 331070e4f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年1月12日 22時

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