第18話「朝凪」 ページ20
夢のような時間はあっという間に終わり。
「もうじき夜明けだべ。ノーレたちに見つかるといけねえから、早く帰れ。」
ベールヴァルドは砂浜までわたしを送り届けると、また馬に乗ってどこかへ行った。
「おーい!A!」
その声にビクリとする。声の主はダン。
「Aも抜け出すようになっただか!」
「いや、べつにそういうわけじゃ…」
それに今戻るところだったし。
「どうせだべ、ちょっと俺に付き合え!」
「え、ちょっと待って!これから戻るとこなのに…」
ダンに手を引かれている間。
何もかもが夢中だった。
浜辺を駆け抜け、海に入り、そして泳いで魚を見て。
命の楽園をそこに見た。
紅い魚にヒトデ、青や緑、白の貝殻。黄緑色のタツノオトシゴ。
やがて朝日が海を照らす。
「いいかA。太陽の光はいいもんだけんど、朝の光は最高に綺麗なんだぞ。空も明るく光ってるっぺ。」
ダンに言われて朝日を見る。
朝の海は凪いでいた。
太陽の光を受けて、海がたくさんの真珠を浮かべたように輝いている。
「わたし、こんな景色はじめて見た…」
「これもAに見せたかったんだあ。」
潮風で身体が乾いていく。
好きな人と迎えた人生最高の朝を、わたしはその目と心に焼き付けた。
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ランリ(プロフ) - いやいや作品全て見ましたがとてもいいのばかりでした。 (2015年7月4日 8時) (レス) id: 14ecb5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ランリさん» エストニアオチですか…考えてみます!でもわたしはけっこう思いつきでものを書くので、短期間で書けても内容は薄っぺらいことがほとんどですよ。 (2015年7月4日 4時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ランリ(プロフ) - こんな短期間でかけるなんてすごいです。次の長編のオチはエストニアがいいなーって思ったりもしながら見てます。頑張ってください (2015年7月4日 1時) (レス) id: 14ecb5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - Ocean Of Stars2865さん» 憧れるだなんて恐縮です(;・∀・)それに待っていてくださるなんてもっと嬉しいです。ありがとうございます! (2015年1月18日 16時) (レス) id: ded5f9c70d (このIDを非表示/違反報告)
Ocean Of Stars2865(プロフ) - 主人公の気持ちに同感して、この話がすごく気に入りました!!こんなに感動する話が作れるスノーデイさんはめっちゃ憧れます(*≧∀≦*)これからもスノーデイさんの素敵な話を待ってます(*´∀`)頑張ってください!! (2015年1月18日 14時) (レス) id: 331070e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年1月12日 22時