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極東:「忘却と記憶」 ページ46

放課後、図書館でいろんな本を読むのがわたしの楽しみ。


特に古文書を読んで過去に想いを馳せるのが大好きだ。


「菊は『あめつちの詞』って知ってるかな。」

「ああ、平安初期に作られたあれですか。」


あめ つち ほし そら やま かは みね たに くも きり むろ こけ ひと いぬ うへ すゑ ゆわ さる おふせよ えのえを なれゐて。


天・地・星・空・山・川・峰・谷・雲・霧・室・苔・人・犬・上・末・硫黄を表す昔の言葉。


「でも『おふせよ、えのえを、なれゐて』はどういう意味?」

「私にもわかりません。ずっと昔の文章なので。」


がっかりした気持ちになっても、また次の謎が生まれてくる。


「耀。満洲文字っていうのは、もう誰も読めないの?」

「さあ…我にはわからないある。」


満州語という言葉を表すために作られた文字。昔の中国では使われていたそうだけど、今ではもう誰も使っていない。読める人もいないらしい。


「みんな歴史の中に埋もれて忘れ去られていくんだね…」


悲しく本のページをめくるわたし。菊も耀も黙って見てる。


「じゃあ、この瞬間もいつかはみんな忘れちゃうの?」


わたしは菊と耀の瞳を見つめた。


初めて出会った時からずっとわたしと仲良くしてくれている菊と耀。


こうして毎日のように図書室でわたしの好きそうな本を見つけてくれたり、話し相手になってくれたり、そうして楽しい時間を過ごしたことも、学校を卒業して何年も経てば忘れられてしまうのだろうか?


「そんなわけないでしょう。」


菊が読んでいた本をパタリと閉じた。


「Aさんが忘れなければ、この瞬間は永遠なんですよ。」

「我も忘れないあるよ。Aと作った思い出なら墓場まで持って行くつもりある。」


こうしてわたしの心に青春の1ページが新しく綴られる。


この思い出の瞬間は永遠だ。

南伊:「見送る後ろ姿」→←英:「背中を押したのは」



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作品ジャンル:アニメ
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桜葉 - スノーデイさんの小説はどれも素敵ですね!これからも頑張ってください応援してます! (2017年10月28日 11時) (レス) id: e19bf62fb6 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございます!これからもそう言っていただけるように頑張ります。 (2016年4月28日 14時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - スノーデイさんの小説はどれも素敵で読みやすいです!これからも応援しています!(*^_^*) (2016年4月26日 20時) (レス) id: 8dc6dca93f (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ルネさん» ありがとうございます。しかしわたしはまだまだなのでもっと読みやすい文章が書けるように努力します。 (2016年4月1日 23時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ルネ - 文章全てが綺麗でわぁ青春だなぁと思えるようなものばかりで素敵です。 (2016年4月1日 20時) (レス) id: 97fe96e6af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スノーデイ | 作成日時:2016年3月10日 21時

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