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英:「背中を押したのは」 ページ45

「Aは委員会活動どうするんだ?」


委員会決めに教室中が賑やかになっている中、アーサーはわたしにそう問いかけて来た。


「俺はまずは学級委員長になって、その後で生徒会長を目指すつもりだが…」

「それならわたしは副委員長にでもなってアーサーと一緒に生徒会に入りたいな。」


それがすべての始まり。


わたしはアーサーの背中を追いかけるようにクラス内での立場を獲得していき、アーサーと一緒に物事に取り組んできた。


時には荷が重いこともあった。自分の地位に恥じないように勉強も頑張った。どんなに面倒なことでも引き受けてきたのだ。


自分の身の丈に合わない努力をしたものだから、当然くじける時は来るもので。


「アーサー。わたし、生徒会に入るの辞めちゃダメかな?」

「は?急に何を言い出すんだよ。」

「やっぱりわたしには無理だよ。副生徒会長にはフランシスが立候補するって聞いたよ。」


フランシスは成績がわたしよりも良い上に、いろんな人から慕われている。見かけの美しさと、時々現れるユーモア溢れるキャラで人気を獲得している生徒だ。そんな人に勝てるわけがないと思った。


「Aはこれまでにも頑張ってきただろ。」

「でもわたしよりフランシスのほうがしっかりしてるよ?」

「心配すんな。俺はずっとAの側にいて、Aのことなら何でも知ってる。」


それにAにそう言われたからって『そうなのか、じゃあ辞めちまえ』と俺が言わないことはわかってるだろ?とアーサーはわたしと二人きりの教室でそう言った。


「もしどうしてもAが辞めるって言うならその時は俺も辞める。」

「そんな!だってアーサー以外に生徒会長にふさわしい人なんて…」

「Aのいない生徒会にいて何の意味がある?」


そしてわたしの背中をアーサーが優しく押してくれた。


「Aにいてもらわなきゃ困るんだ。」


その一言がわたしの決意を固めるきっかけになったことは言うまでもない。


それからのわたしはアーサーと精力的に活動し、生徒総会でも選挙でも自分の力を出し切り、そうして夢の副生徒会長という立場を勝ち取った。自分でも信じられない。


「やったな、A。」


これからわたしたちが使う生徒会室。アーサーはわたしの副生徒会長就任を一緒に喜んでくれた。その嬉しさに胸が締め付けられ、溢れた感情は頬を伝って落ちた。

極東:「忘却と記憶」→←仏:「瞳に捕らえられ」



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設定タグ:APH , ヘタリア , 学園ヘタリア   
作品ジャンル:アニメ
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桜葉 - スノーデイさんの小説はどれも素敵ですね!これからも頑張ってください応援してます! (2017年10月28日 11時) (レス) id: e19bf62fb6 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございます!これからもそう言っていただけるように頑張ります。 (2016年4月28日 14時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - スノーデイさんの小説はどれも素敵で読みやすいです!これからも応援しています!(*^_^*) (2016年4月26日 20時) (レス) id: 8dc6dca93f (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ルネさん» ありがとうございます。しかしわたしはまだまだなのでもっと読みやすい文章が書けるように努力します。 (2016年4月1日 23時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ルネ - 文章全てが綺麗でわぁ青春だなぁと思えるようなものばかりで素敵です。 (2016年4月1日 20時) (レス) id: 97fe96e6af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スノーデイ | 作成日時:2016年3月10日 21時

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