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芬:「いつも隣に」 ページ28

何もやることがない春休み。


わたしは幼なじみのティノに誘われて適当に街をふらついて、気が付けば二人でいつもの通学路を歩いていた。休みの日にまで見たくない景色だったのに。


「やだ、これじゃいつもの道だね。」

「でもいいじゃないですか。このほうが落ち着くし…」


登下校は小学生の頃からずっとティノと一緒だ。雨の日も風の日も一緒だったっけ。


「ティノさ、覚えてるかな?わたし子供の頃、すごく体力なくて運動会の練習も大変だったこと。」

「ええ。覚えてますよ。それがどうかしたんですか?」

「その時、遅くまでティノが練習に付き合ってくれたよね。」


当時、ティノもわたしと同じで身体が弱かった。


本当は無理してはいけない身体だったのに、わたしのために自分の健康も省みず、ずっと側にいてくれたことをわたしはずっと覚えている。


なのにその時は気が付かなかったのだ。


ティノの優しさに。


「ごめんね。ティノもつらかったでしょ?」

「今さら何を言ってるんですか。そんなわけないでしょう。」


わたしはティノとの思い出をここで立ち止まり、そして振り返る。この場所へ来るまでに、本当にいろんなことがあった。


それでも、どんな時もティノは側にいてくれた。


嬉しいことがあった時は一緒に喜んでくれて、つらいことがあった時は自分のことのように悲しんでくれた。そして元気をくれた。本当にいつまでもどこまでもお人好し。


「Aさんと一緒にいることが僕の幸せなんです。Aさんだってわかってるじゃないですか。」

「あはは…そうだったね。わたしも本当はわかってたよ。」


しかし、いつも言えなかった言葉を今言わずしていつ言うのか。


「ティノ。」

「なんですか?」

「いつもありがとう。」


ティノは何も言わなかったが、嬉しそうに微笑みながらわたしの隣を歩く。


「Aさん。」

「なに?」

「これからも僕の側にいてくれますよね?」


答えは言うまでもない。

波:「退屈に衝撃を」→←英:「いやな人」



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設定タグ:APH , ヘタリア , 学園ヘタリア   
作品ジャンル:アニメ
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桜葉 - スノーデイさんの小説はどれも素敵ですね!これからも頑張ってください応援してます! (2017年10月28日 11時) (レス) id: e19bf62fb6 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございます!これからもそう言っていただけるように頑張ります。 (2016年4月28日 14時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - スノーデイさんの小説はどれも素敵で読みやすいです!これからも応援しています!(*^_^*) (2016年4月26日 20時) (レス) id: 8dc6dca93f (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ルネさん» ありがとうございます。しかしわたしはまだまだなのでもっと読みやすい文章が書けるように努力します。 (2016年4月1日 23時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ルネ - 文章全てが綺麗でわぁ青春だなぁと思えるようなものばかりで素敵です。 (2016年4月1日 20時) (レス) id: 97fe96e6af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スノーデイ | 作成日時:2016年3月10日 21時

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