【APH】 教室のドアに黒板消し 【短編集】

米：「言えないよ」 ページ21

『好きだよ』って一言が、どうして素直に言えないの？


「Hey ,A！そこのボールを取ってくれよ！」


昼休みの体育館。アルフレッドの姿を一目見たくて入ってみたら、アルフレッドと話ができた。


「はい、どうぞ。」

「サンキュー、A！」


バスケットボールはアルフレッドの手で弾み、投げられ、ネットの中を一瞬のうちにくぐり抜けて床に落ちる。


バスケをしてたら当たり前の光景のはず。なのにアルフレッドがやっていると本当にかっこいい。まるでプロだ。


「Aも一緒にやらないかい？すっごく楽しいんだぞ！」

「ううん。わたしは遠慮しとく。」

「そうかい？ずっとボールを見てたからやりたいのかと思ったぞ。」


見てたのはボールじゃない。アルフレッドだ。


「ところでA、バスケ部のマネージャーをやってみる気はないかい？」

「えっ、マネージャー？」


唐突な話に驚いた。


「俺がバスケ部なのはAも知ってるだろ？思えばこのバスケ部、マネージャーがいないんだよ。Aもバスケは嫌いじゃないんだろ？」

「うん、むしろ好きだけどわたしがマネージャーなんて…」

「よし、決まりだな！ちなみに反対意見は認めないんだぞ！」


Aがバスケを好きで本当によかったよ、とアルフレッドは言ったけど…。


わたしはアルフレッドが好きなのに、その恋は胸の奥にしまったまま。

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