諾:「軽音部の憂鬱」 ページ18
音楽が好きだという人は多い。
特定のジャンルの音楽を好きだと言っている人もいるけれど、それは本当に音楽が好きな人?それとも音楽を好きな自分が好きな人?
「ノーレはどう思う?今年の新入生。」
カオスな軽音部の部室でノーレと二人、入部届けを見ていた。わたしが部長で、ノーレは副部長をしているのでこういうものを見るのはわたしたちの役目だ。ちなみに顧問の先生は役に立たない。
「どうせ幽霊部員になって終わりなんでねの?」
「そうじゃなければ某アニメの影響かな。」
「女子の場合はそうだべな。男子ならアニメに影響されたキモオタか女子にモテたい奴が楽器遊びしたいだけだべ…」
あとでノーレがそんな男子部員たちを見て『貧弱もやし野郎』と陰口を叩く様子が目に見える。
「ノーレもわたしも真面目に音楽をやりたいのに、こういう人たちのせいで軽音部のイメージが変化するのはちょっとね…。入ってくれるのは嬉しいんだけどさ。」
「イメージで思い出したけんじょ、ベースが地味だど思われてんのが我慢ならね。ベースはどんなジャンルでも必要どされる最高の楽器だべ。」
ベースはギターやドラムとは違い、けっこうな率で飽きられてしまう楽器の一つだ。
ノーレはベース担当。その低音でリズムを生み出してくれている。ギター兼ボーカルのわたしには理解できない情熱をノーレは持っている。
「ベースは音楽の基礎どして必要なパートだはんで、ジャンルの枠にとらわれるこどもなぐいろんな音楽さ対応できて飾っとくだけでもいぐ見える。Aもそう思うべ?」
「まあそういうのも全部含めて軽音部は理解されにくい部活なんだよ。学祭のステージでも部員とそうじゃない人の温度差がすごいし。」
それでもわたしたちは音楽を楽しみたい。
「不満はあるかもしれないけどさ、これからもわたしの隣で演奏してくれるよね?」
「なに言ってる。勘違いすんな。Aが隣で演奏するんでねえ。俺がAの隣で演奏すんだ。」
「どっちも意味は同じじゃん。」
でもありがとう、と言っておく。
何だかんだでわたしとノーレは最高の相棒。
そしてノーレはいつもわたしを支えてくれる特別な人だから…。
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桜葉 - スノーデイさんの小説はどれも素敵ですね!これからも頑張ってください応援してます! (2017年10月28日 11時) (レス) id: e19bf62fb6 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございます!これからもそう言っていただけるように頑張ります。 (2016年4月28日 14時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - スノーデイさんの小説はどれも素敵で読みやすいです!これからも応援しています!(*^_^*) (2016年4月26日 20時) (レス) id: 8dc6dca93f (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ルネさん» ありがとうございます。しかしわたしはまだまだなのでもっと読みやすい文章が書けるように努力します。 (2016年4月1日 23時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ルネ - 文章全てが綺麗でわぁ青春だなぁと思えるようなものばかりで素敵です。 (2016年4月1日 20時) (レス) id: 97fe96e6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノーデイ | 作成日時:2016年3月10日 21時