第25夜「考えればいい」 ページ25
玄関を出ようとした時。
階段を2段か3段ほど踏み外したような感覚で落ちる。
「え………?」
わたしがいたのは4畳半くらいのスペースの部屋。
でもただの部屋じゃない。
「これ、どういうこと?」
ほぼ正方形のような部屋は照明がないのに暗くなくて、そして一番の特徴は部屋のどこにも出入り口が存在しない。
箱の中のようなその部屋。
これでは出ることもかなわない。
「どうしよう…どうしよう…!」
「なに焦ってんだ?」
振り返ると壁にもたれかかって座るベールヴァルドがいた。
「ベール!どうしよう!こんな変なところ、どうやって抜け出したらいいの?」
「落ち着け。ちょぺっとは人に頼らず、自分で考えてみろ。」
自分で考えられないからこうして聞いているのに。
「自分で考えられねぇんだったら、こう考えればいいべ。」
そう言うと、ベールヴァルドは杖で床をコツンと叩き出し、これまで一緒に歩んできてくれたイースの姿と、ノーレの姿を映し出す。
「イースならどうするべ?ノーレならどうするべ?そして、俺ならこんな時はどうやって解決すっか…そう考えればいいべ。」
そう言うとベールヴァルドはまた姿を隠してしまった。
あの人はいつもこう。
「イースなら…ノーレなら……。」
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匿名 - すごく良かったです。表現が綺麗で引き込まれました (2021年9月26日 5時) (レス) @page30 id: 08e03ad312 (このIDを非表示/違反報告)
諷加 - すごくいい作品でしたスノーデイさんの小説はほとんど読んだけどどれも素敵ですね応援してます! (2017年11月28日 16時) (レス) id: e19bf62fb6 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - すっっっっごくいい作品ですっ!一発でファンになれます!これからも頑張って下さいね!(*≧∀≦*) (2017年4月25日 6時) (レス) id: ccfee82074 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 世界観がたまらんっ! (2017年4月16日 10時) (レス) id: db5660f2cb (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - リンアさん» 閲覧ありがとうございます。わたしは書きたいものを思いついたままに適当に書いていることが多いのですが、それでもそう言っていただけるととても励みになります。コメントありがとうございました。 (2016年4月5日 0時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年7月21日 13時