エピローグ ページ33
どこからともなくセミの鳴き声が聞こえる。
エアコンが欠かせない中、だるい宿題も終わらせて、そして季節は流れ流れてまた学校が始まる。
「今日の学校、とっても楽しかったよ。」
「お。なんがいいことあったのけ?」
「あんこ、やかましい。」
夕食を囲みながらの会話は楽しいもので。
「わたしを馬鹿にして陰で笑ってたクラスのやつの上履きに給食で残した牛乳を流し込んでやったの。夏休み明けにそいつの下駄箱、エライことになっててウケた。」
「それでこそAだっぺ!」
「ちゃんと丁重にお返しをしたんですね。偉いですよ。gjです!」
「僕もAならやるって信じてたよ。」
みんな…なんでそんなにすがすがしい笑顔をしてるんだろう?
「Aはこれからの人生、長いんだがら…どんなクズ人間に毒されるかわかんねぇ。だけんじょうちの子ならそれくらいでくよくよしてはなんねぇぞぃ。」
「もっと根性、図太くなれ。クズにはクズでやり返せ…」
ベールとノーレはお兄さん気取りか。ありがた迷惑め。
「ま…そんな俺も記念受験のつもりで受けた公務員試験になんか受かって役所勤めになったけっじょも、仕事が出来なさ過ぎてうつ病さなって、他人様の税金で飯を食ってきた俺が言うのもおかしな話だけどなぃ。」
「ベールはクズじゃないよ。だってうつ病になったのは仕方ないことだもん。わたしにとってベールは立派な大人だよ!」
困った時は助言してくれるしね。
「で、その上履きに牛乳流し込んでやった相手には何か言ってあげたの?」
「べつに何も言わなかったけど?」
「なんだあ!Aをおとしめるようなバカには『子宮に帰れ』って言っとくべきだっぺ!」
「あんこ、うぜぇ。俺ならそんなキチガイ、ガソリンぶっ掛けて生きたまま火葬にしてやるべ…」
「ああ…!本音の悪口最高です!上っ面の社交辞令なんて糞くらえです!」
こんなクズな家族に育てられたかと思うと自分でもゾッとする。
でもわたしは自分がクズでも気にしない。
世の中には低俗で、不道徳で、無教養で、自己中で…そんな人間が山ほどいるんだから。
そんなクズには、我が家の人間と同じようにクズ流のやり方で何倍にもして返してやる。
わたしを侮辱したらどうなるか、それを身をもって教えてやるつもり。
わたしもクズだし、家族もクズ。
それでもいい。
マジでクズな日常を、わたしなりに楽しんで生きていくつもりだから。
〜完〜
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人間砲台 - 素晴らしいです!クズにはクズを…素敵な言葉ですね(`・ω・´)北欧+夢主、最高ですwこんなカッコよさ、私も少し欲しいですwwこれからも頑張ってください! (2017年9月21日 19時) (レス) id: 5821a242a4 (このIDを非表示/違反報告)
*** - 本当に主人公がクズで、こういうの初めて見ました。若いうちに更正してくれるのを祈ります。 (2015年5月25日 21時) (レス) id: 295ee4799e (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - レイ@北欧領さん» スカッとしてくださって嬉しいです。これからも頑張ります(`・ω・´)! (2015年4月21日 23時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@北欧領 - 素晴らしいです! 全てに共感しました!! スカッとしましたw これからも頑張ってください! (2015年4月21日 13時) (レス) id: 0eb7ce92ee (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - Vandaさん» スッキリしていただけて何よりです(*^^*)応援ありがとうございます!頑張ります! (2015年4月15日 17時) (レス) id: ded5f9c70d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年4月11日 3時