第42話「古事記」 ページ44
アーサーは世界中の種を持ち帰り、わたしと菊はそれを植えた。
1年、10年と月日が流れて芽を出した。
「菊!アーサー!芽が出たよ!」
「きっとAさんの育て方がよかったのでしょうね。」
「Aはそのまま植物の世話を頼む。俺はほかにやることがあるんだ。」
そして辛抱強く育てた30年目。
「ねぇ菊。まるで古事記の世界みたいだと思わない?」
「もしそうなら私たちはイザナキとイザナミですね。」
わたしたちはトニーの命令で地球を元通りにしている。
それは古事記の上巻の、まるで冒頭の一部のよう。
“ここで天つ神一同の御言葉により伊邪那岐、伊邪那美の両神に「このただよえる国を繕い固め完成させよ。」と仰り、天の沼矛と賜い、御委任なさった。そこで両神は、天の浮橋に立ち、沼矛を指し下ろしてかき回すと、潮をころころとかき鳴らして引き上げる時、その矛の先より滴り落ちる潮が重なり積もり島となった。これが淤能碁島である…”
「わたしたちが今してることって、二人の国生みみたいなものなのかなぁ…」
「もしかすると、あの古事記はただの昔話ではないかもしれませんね。現に、わたしたちが古事記と同じことをしているのですから…」
わたしと菊は、イザナキとイザナミ…?
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スノーデイ(プロフ) - 私は日領こと露領(靴下)こと世界領((←さん» ありがとうございます。今は“まだ”ですがそのうちどうなるかと思うと怖いですよね。戦争を起こさないためにはどうしたら良いのかを考える切っ掛けになったのなら嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2016年2月22日 21時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
私は日領こと露領(靴下)こと世界領((← - とても感動しました。戦争という事についてとても深く考えさせられる、とても素晴らしい作品でした。今は “ まだ ” 起きていない第三次世界対戦や第四次世界対戦、第五次世界対戦など、戦争について改めて一から考える切っ掛けとなりました。有り難うございました。 (2016年2月22日 20時) (レス) id: d4b1972073 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - にゃん。さん» 閲覧ありがとうございます。でも全然素晴らしくなんかないですよ。考察とかけっこう曖昧なところがあるので。それでもこうして丁寧なコメントを下さって本当に嬉しいです。これからも頑張ります。 (2015年12月17日 19時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん。 - 小説、全て読ませていただきました。戦争という難しい、そして悲しいテーマでこれほどまで素晴らしい小説を書かれたことに非常に感動しました。それはもう思わず涙を流してしまうほどには。素敵な作品を本当にありがとうございました。これからも楽しみに待っています (2015年12月13日 14時) (レス) id: 3296dfbe0f (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - あかいそらさん» コメントありがとうございます!これからも感動してもらえるような作品が書けるように頑張ります! (2015年5月9日 2時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年3月26日 23時