転校生と生徒会長5 ページ38
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心の準備が追い付かないままの対面に、内心ドキドキしながら挨拶を交わす。学校案内どころか、隣の席なんじゃない！ 藤原先生、ちゃんと言っておいてくれ。
手塚くんは軽く会釈をするとすぐ前に向き直った。周りの生徒たちも彼に倣うように、慌てて前を向く。なるほど、カリスマ生徒会長、かあ。
ホームルームはつつがなく進行し、手塚くんの号令で終了となる。
解き放たれた生徒たちが待ちきれないとばかりに立ち上がり、私は一気に中学生に囲まれることとなった。
「Aさんよろしくね〜！」
「よろしく！ なんでも聞いてね！」
「ありがとう。よろしくね」
男子も女子も、ノリの良さそうな生徒が先陣切って自己紹介してくるのにお礼を言ったり笑顔を返したりと、なかなか目まぐるしい。名前なんて一気に覚えられないけど、なるべく顔と名前を一致させようと全てに返事を返した。
「中3で転校って大変じゃない？」
「ウチの高等部狙ってるとか？」
「ん〜ん、家庭の事情ってやつだよ。でも高等部行けたら楽そうだよね」
「楽だよー狙ってる奴多いもんな」
なんて、質問からの中学生的世間話に話を合わせたかと思えば。
「ねえねえ部活はやんないの？ 女バレどう？」
「吹部も募集中！」
「家庭科部お菓子食べれるよ〜」
「マジ？ 部活楽しそうだね！ でも3年からってめっちゃ中途半端だからやらないつもりなんだー」
こんな勧誘をのらりくらりとかわしてみたり。
「てかスタバ新作コンプてえぐくね？」
「えっ美味しいでしょスタバ！」
「違うって、うまいけど高いじゃん！」
「あ、あーね」
(そっそうか……中学生のお小遣いっていくらくらいだっけ！？ ごまかさなきゃ)
「リッチじゃね？ お嬢様なの？」
「うける〜違うよ、親戚とかにおごってもらったりすんの」
「いいな〜！」
ちょっとヒヤッとしたり……。(守おじさん、ごめん)
「てかAさんモテそうだよね〜！ 彼氏いるでしょ！」
「思った！ なんか余裕あるもん！」
「え。待って普通にいないんだけど？」
「うそ〜〜」
「じゃあさ何人付き合ったことある？」
「え〜っと……ナイショで」
「やばー！」
「絶対めっちゃ付き合ってるじゃん！」
「いやそんなでもないよ！」
恋バナ系は異様な盛り上がりを見せたりした。ていうか中3って何人くらいが普通だっけ？ 実際は半年前に彼氏に浮気されて別れたような、ただの冴えないOLなのに。みんなやけに期待してくるから怖い。
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天葉 - 凄く面白いです！よく見かけるトリップモノとはまた違った面白さを感じました。オトナな夢主に原作で大人扱いされてた子が甘やかされてるのとかキュンとしそうです！若返りで勉強が…というのがリアルで思わず笑いました。応援してます♪ (2021年3月30日 15時) (
レス) id: 623fd23513 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 小冬さん» 面白いと言ってもらえてとても嬉しいです！ 更新頑張ります。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 飽き性で更新停滞させてすみません……書きたいエピソードたくさんあるので、またぼちぼち更新します。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - 久しぶりに、面白い小説に出会えたぁぁぁ！！！頑張ってください、応援してまぁす☆ (2020年10月2日 22時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - におーさん» 応援のお言葉ありがとうございます！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 66db041f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太田 | 作成日時：2018年3月19日 18時
