転校生と生徒会長2 ページ35
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学園に辿り着いた私と守おじさんは、事務室で受付を済ませた後案内された応接室で立派なソファに身を沈めていた。
さすが私立というべきか、ソファを始めテーブルや書棚なんかの家具一式が品良く統一されている。出されたのは粗茶ではなく香りの良いダージリンだし、カップはナルミのミラノだった。学園長か理事長あたりの趣味だとしか考えられない。
なんて、頬を引きつらせていたらノックの音と扉の開く音が立て続けに耳に飛び込んでくる。
「待たせて悪いねえ！」
「竜崎先生！」
「あ、この間の……！」
入室してきたのはスーツ姿の男性教員と、先日出会ったあの豪胆な女性──竜崎スミレ先生だった。
知った顔に会えて少し緊張が和らぐ私を尻目に、すかさず立ち上がって親しげに挨拶したのは私の隣の守おじさんだ。
「いやあ、竜崎先生に来ていただけるとは。保護者としてお会いするのは妙な感じですが、よろしくお願いしますよ」
「ああ、アンタから話を聞いた時はまさかと思ったがね。ま、この子のことはアタシに任せときな」
「……あの、お二人、お知り合いだったんですか？」
どう見ても初対面とは思えないやりとりに私はおずおずと口を挟む。
「なんだい、言ってなかったのかい？」
「すまない！ 忘れてたよ。Aは竜崎先生と一度会っているんだってね？ 僕は仕事でたまにお世話になってるんだ」
「井上君の親戚なんだって？ 奇妙なもんだねえ。偶然会ったお前さんがウチの転入生ってだけでも驚いたってのにさ」
二人は楽しそうに大人同士で笑い合っているけれど、ちょっと待て待て、ちゃんと一から説明してくれないと。
「仕事って……おじさん、雑誌の編集って言ってなかったっけ？」
「そうだよ！ 月刊プロテニスって雑誌でね。中学テニスの記事にも力を入れていて、青学にはよく取材で来させてもらってるんだ。知ってるかい？ ここはテニスの名門校と名高くてね──」
テ、テ、テニス……雑誌……！？！？
なにそれ聞いてない！ 何かスイッチ入って青学テニス部語り始めてるけど、おじさん！ 初耳なんだけど！？
「ホレ、今はそんな話はいいだろう。ま、そんなわけで井上君からこの間連絡を貰ってねえ。親戚が転入するからよろしく頼むとさ」
「いやあ、不躾で申し訳ない。竜崎先生にお願いすれば間違いないと思いまして」
「アッハッハッ！ まったく調子の良い奴だね」
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天葉 - 凄く面白いです！よく見かけるトリップモノとはまた違った面白さを感じました。オトナな夢主に原作で大人扱いされてた子が甘やかされてるのとかキュンとしそうです！若返りで勉強が…というのがリアルで思わず笑いました。応援してます♪ (2021年3月30日 15時) (
レス) id: 623fd23513 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 小冬さん» 面白いと言ってもらえてとても嬉しいです！ 更新頑張ります。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 飽き性で更新停滞させてすみません……書きたいエピソードたくさんあるので、またぼちぼち更新します。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - 久しぶりに、面白い小説に出会えたぁぁぁ！！！頑張ってください、応援してまぁす☆ (2020年10月2日 22時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - におーさん» 応援のお言葉ありがとうございます！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 66db041f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太田 | 作成日時：2018年3月19日 18時
