番外編:降水確率10%4 ページ32
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「……つまり有名人、なんだね？」
「そういうことだ。全国大会2連覇の立海大附属中で三強に数えられている」
「……そ、それって……」
あんぐりと口を開けてしまいそうなところを堪えた私を尻目に、ウェイターがそそくさと空いた皿を回収していった。
想像以上だ。素直にこの少年──柳蓮二くんが全国レベルのツワモノというところにも驚嘆したし、いや、それよりも何よりも……そんなのもう、絶対漫画に出てくる人じゃん！ と確信してしまった。
やっぱりこんなクールな子でも何か技名とか叫びながらファンタジーじみたテニスをするんだろうか……。
「す、」
「凄いんだね、とお前は言う」
「……」
ピタリと台詞を言い当てられてまじまじと柳くんを見つめる。ポーカーフェイス。
こ、これが少年漫画の強キャラクター……。ちょ、ちょっとだけ、ウザい……。
「さて、A。俺はこれからもう一度書店に行って先ほどの買い物の続きをするが」
「あ、そうだよね。私のせいで時間とらせちゃってごめん！」
「いや構わない。そうではなく、お前も書店での用事は済ませずじまいなのではないかと思ってな」
「……そうだった、参考書」
「もののついでだ。良ければボディーガード代わりに同行するが？」
ひええ……、ス、スマート……。中学生とはとても思えん、色んな意味で……。
柳くんには飽きることなく驚嘆させられつつも、その気遣いが素直に嬉しく思えて私の顔はほころんだ。
「じゃあ、お言葉に甘えてもいいかな？」
「勿論。では行こうか」
そんなわけで私は柳くんにエスコートされ、再び書店へと足を運ぶことになった──。
◆
「さて、探しているのは何の参考書だ？」
いかにも理知的で賢そうな柳くんに、私はここぞとアドバイスを頂こうと道中とにかく勉強の不安を話題にしまくった。
そんな安い誘導に敢えて乗ってくれたのだろう。柳くんは道すがら、勉強法や参考書選びのコツなどを苦笑しつつ教えてくれ、挙句には書店でサクサクとオススメだという参考書をいくつか出してくれている。
なんて面倒見の良い子なんだ……。私は密かに感動してしまった。
「理数系がね……柳くんは理数系男子っぽいよね。どんなの使ってる？」
「いや、俺はどちらかというと文系だが。この辺りは解説が丁寧だし良いんじゃないか？」
「文系〜！？ 確率がどうのとか言ってたじゃない」
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天葉 - 凄く面白いです！よく見かけるトリップモノとはまた違った面白さを感じました。オトナな夢主に原作で大人扱いされてた子が甘やかされてるのとかキュンとしそうです！若返りで勉強が…というのがリアルで思わず笑いました。応援してます♪ (2021年3月30日 15時) (
レス) id: 623fd23513 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 小冬さん» 面白いと言ってもらえてとても嬉しいです！ 更新頑張ります。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 飽き性で更新停滞させてすみません……書きたいエピソードたくさんあるので、またぼちぼち更新します。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - 久しぶりに、面白い小説に出会えたぁぁぁ！！！頑張ってください、応援してまぁす☆ (2020年10月2日 22時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - におーさん» 応援のお言葉ありがとうございます！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 66db041f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太田 | 作成日時：2018年3月19日 18時
