理想の子供3 ページ26
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これは本当にそうでした。私の選択ミスです。また微妙に気まずい空気になってしまい、苦し紛れに口を開く。
「あの、良かったらまた今度、一緒にご飯食べましょう。えーとえーと、あ、私の編入祝いってことで。あっ外食連れてけって意味じゃないんですけど！」
しまった、気遣いの結果合コン相手に次の約束取り付ける時みたいになってしまった。
私のプチパニックをよそに、井上さんはその意を汲んでくれたようだ。
「ああ、いいね。是非ともそうしよう！ 食べたいものを考えておいてね」
「あ、あはは、ありがとうございます〜っ」
「日取りはまた相談しようか。そうだ、編入といえば、制服とか教科書とかを用意しなきゃいけないんだったね──」
どうやら事なきを得られたようだ。話題は編入に必要な品々の購入相談に移り、当初のこの会合の目的もなんとか果たされる形になった。
その日の帰り。
井上さんの車で家まで送ってもらう途中だった。胃がギリギリと痛み出して、耐え切れず井上さんに訴えた。
「す、みませ……袋、もらえますか……」
「え！？ ど、どうしたんだい……吐きそう！？ ちょっと待ってね、あ、これ、袋！」
「ゔっ──」
──自主規制。
結局私は盛大にやらかしてしまった。実はあの食べ物の匂いが鼻に残ってずっと気持ち悪かった……。生理的なものとは別に、今度は情けなくて涙が滲んだ気がする。
「Aちゃん、水買って来たから口濯いで」
「……すみません」
吐瀉物を拭って口を濯いで、ゴミの片付けまで世話になってやっと落ち着いた頃には、私は心底落ち込んでいた。
「ご迷惑を……おかけしてしまい……」
これでは自己管理能力なしと思われてしまう。一人暮らしは考え直しだろうか。自己嫌悪と申し訳なさと羞恥でないまぜになってしまい、とても井上さんの顔が見れない。
そうしてつむじを見せ続けていると、井上さんが口を開いた。
「……本当は、体調が悪くて食欲がなかったんだね？ 僕が勝手に注文したから、気を遣ってくれたけど、やっぱり良くなかったんだろう」
「いえ、あの……。……は、い」
「あのね、Aちゃんは気を遣いすぎかもね。いや、君の気持ちは良くわかるんだ。もし自分が同じ状況だったら、君と同じことをしたと思うよ」
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天葉 - 凄く面白いです！よく見かけるトリップモノとはまた違った面白さを感じました。オトナな夢主に原作で大人扱いされてた子が甘やかされてるのとかキュンとしそうです！若返りで勉強が…というのがリアルで思わず笑いました。応援してます♪ (2021年3月30日 15時) (
レス) id: 623fd23513 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 小冬さん» 面白いと言ってもらえてとても嬉しいです！ 更新頑張ります。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - 飽き性で更新停滞させてすみません……書きたいエピソードたくさんあるので、またぼちぼち更新します。 (2020年10月10日 12時) (レス) id: 690c44789e (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - 久しぶりに、面白い小説に出会えたぁぁぁ！！！頑張ってください、応援してまぁす☆ (2020年10月2日 22時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
太田(プロフ) - におーさん» 応援のお言葉ありがとうございます！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 66db041f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太田 | 作成日時：2018年3月19日 18時
