二章 ページ20
-You side-
ふう…。
今日の練習は終わり。
グルッペン、兄さん、(あと途中から)オスマンさんが付き合ってくれた。
火、水、土、風、草、氷、光、闇
の八種類の魔法をやってみたのだが、
どれにも【精霊】というものが付いてしまった。
なんでも、精霊が憑くと魔法がより強力になるらしい。
あと、【無詠唱】という凄い人しか出来ない技を平然としていたそう。
私…、凄いなぁ。
今は夕飯も終わり総統室のソファーの上。
一人で考え事をしていた。
こんなに世話を焼いてくれている総統さん。
複雑な気持ちでありながらも協力してくれている幹部の皆。
私はその期待に応えねばならない。
教えてくれたこと、自分の能力、皆からの期待。
全てを背負って戦場を朱く、赤く、紅く染め上げてしまおう。
私にはそれしか能がないのだな…。
召喚されて、殺されかけて、敵意を向けられて…。
でも良く思ってくれている人もいる。
…こんな出会って直ぐの人達を
助けたい、と思ってしまう程私は孤独が怖いのかな。
人の温もりに触れていたいのかな。
前世で大切な人を失ったからかな。
無力な自分に劣等感があるから?
善人になりたいから?
庇護欲? 優越感?
どれも違う気がする。
自分の事って、なんでこうも分からないんだろう。
いつかは戦争に行くという緊張と、皆の期待からくる責任感が波のように押し寄せてくる。
気にしないようにしても、それが消える事は無くて。
気にしているのは自分だけなのに、割り切れなくて。
どれだけ魔力やら加護やらを持っていても
中身はただの人間なのだと実感する。
器は小さくて、自己中心的で、自分勝手で、面白くなくて、憎しみを生むくせに、
優しくて、楽しくて、安心する。
そんな面倒で素晴らしい生き物が人間なのだと思う。
今は自分の思いがわからなくても
自分のできる精一杯をしようと思う。
それしかできないし、クヨクヨしても変わらない。
これからつまずくかもしれないけれど、
私には「グルッペン達」と、「醜い世界」という
前を向く理由がある。
頑張ろう。
天性の能力に甘えず、自分でも努力しよう!
そうこう考えている内に
意識が途切れ、眠ってしまった。
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えもんが - 初コメ失礼します!応援してます!投稿も頑張ってください! (2023年3月19日 15時) (レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します!応援してます!投稿も頑張ってください! (2023年2月25日 16時) (レス) @page47 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
まこち(プロフ) - 初コメ失礼します🙇♀️続きが凄く気になります!!更新待ってます!! (2022年1月18日 20時) (レス) id: 2e33e63444 (このIDを非表示/違反報告)
めぃうゆ - コメ失礼します!とても好きです!今まであまり見てこなかった内容なので、とても楽しく読めました!無理せず更新頑張ってください!!応援してます! (2021年11月27日 20時) (レス) id: 76ee8eba35 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - いや、ほんま、、、、。もう、ほんま、、、、、、。最高屋あああああああああああああああああああああああああああああ (2021年11月13日 22時) (レス) @page43 id: 315f44b475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月 | 作成日時:2021年9月21日 19時