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「３組の七瀬A、です」
「３組？意外と近いじゃん！よろしくねAちゃん」
「えっ」
「あ、ごめん、馴れ馴れしすぎた…？」
確かに名前で呼ばれたことにも驚いたけれど、
それよりもよろしくねと言われることにも驚いた。
よろしくってことはこれから関わりがあるかもしれないとかそういうことで……
って、そんなわけないか。
きっと社交辞令ってやつだこれは。
「そんなことないよ。よろしくね、えっと…ルイスくん」
「だはっ、ルイスなんてなかなか呼ばれないよ！」
「え、えっ？じゃあ、ジェシーくん？」
「うん、そっちがいい」
初めて話した、のに。
本当にいいのだろうか。
ジェシーくんはというとニコニコしてご満悦のようで。
「あ、そうだ。お友達はバイトがあるからって帰っちゃったけどすっごい心配してたよ」
「そっか…」
「Aちゃんも帰るところだったんだよね？立てそう？」
「うん、大丈夫」
本日２度目の校舎を出ると、
先程とは違ってもう人も少なかった。
「家どっち方面？」
「私はこっち」
「ん、行こっか」
私の指さした方へと歩き出したジェシーくん。
「ジェシーくんもこっち？」
「Yes」
まさか、こうして２人で歩くことになるなんて。
私が横にいていいんだろうかと不安になる。
「あの、ごめんね、私が起きるまで待っててくれたんだよね…？」
「いやいや当たり前！ボール当てといて謝らずに帰るとかないよ」
「優しいねジェシーくん」
「そう？普通だよ」
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作者名：hiina
| 作成日時：2020年8月19日 19時
