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恐る恐る目を開けると、女の子の後ろに……
息を切らした宏太が立っていて、右腕をガシッと掴んでいた。
なんで宏太がここに……?
戸惑いを隠せない私を一目見た宏太は少し微笑んで
"大丈夫だよ。"
って言ってるような気がした。
かと思いきや次の瞬間
「オイ、お前か?Aに嫌がらせをしたのは」
聞いたことのない低い声で言った。
(し、知らないわよ)
「とぼけても無駄だ。証拠はあがってんだ」
そういうと宏太は、ポケットから何かを取り出してカチッとスイッチを入れた
ザーザー……と最初はノイズしか聞こえなかったけど段々と何か聞こえてきた。
(ここまでしてるのさ、効果なくない?)
(それなー。別れる気配ゼロなんだけど。どうするよ)
(今度締めとくわ)
.
声は多分、この女の子。
女の子は顔面蒼白で床に崩れ落ちた。
(ごめ……んなさい……)
嗚咽が混じりながらも、ごめんなさい。という言葉が聞こえた
「……二度とAにこんなことするな。
振られた腹いせに俺の大事な彼女を虐めるやつなんぞ、俺は興味ねえよ。」
女の子に向かって吐き捨てた宏太は
今まで見たことのない歪んだ表情をしていた。
.
女の子は私に謝った後、すぐに教室から去って行った。
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作者名:ちぃすけ | 作成日時:2019年8月15日 14時