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薮くんside

「A〜帰るよ」

『はーい』


呼べば、俺の隣にちょこんと寄ってくるA。


『ねえ宏太。朝何話してたの?』


不意に、Aが聞いてきた。



「……なんでもないよ、ちょっとえ っちぃ話で盛り上がってただけ」


『朝から???』


「うん、男はいつだってそういう話が好きだからね」


不安そうな表情から一転して、Aはクスクスと肩を震わせて笑った。





『ありがとう、宏太』


具体的なことは言わなかったけど、


Aは気づいてたのかな。





そっとAを抱きしめた。
Aの温もりを感じて、思わず笑みがこぼれた。



「絶対見つけるから……もう少し待ってて」



『うん……!』



「大好きだよ、A」



学校、ましてや下駄箱。


俺たち以外にも部活終わりの人たちでチラホラいる中でのキスは、、、ハードルが高くてできなかった。


キスの代わり、と言ってはナンだが、これでもかとAを強く、強く抱きしめた。

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作者名:ちぃすけ | 作成日時:2019年8月15日 14時

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