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タイマー ページ9

話をしている間、ジンさんは相槌を打ちながら真剣に話を聞いてくれた。そして全てを話し合えると、静かに、でも優しく私を包み込んだ。

JN『良く頑張った、』

JN『良く頑張ったよ、本当に。』

その言葉だけで、なんだか自分の苦しみが報われた気がして、頬の上でゆっくりと涙が下に落ちていくのを感じた。ジンさんに全て打ち明けたことで、なんだか心の重荷がなくなったように心が軽くなった私は、ゆっくりと微笑んだ。

そして、大きく深呼吸をし、ジンさんの瞳を真っ直ぐ捉えて、口を開く。

「ジンさん、私、あと半年間だけ頑張ります!」

ジンさんは訳が分からない、という顔で首をかしげながら私の言葉の続きを待っている。

「私…私、今から6ヶ月間、グクに好きになってもらえるように必死に頑張ります!」

私の宣言にジンさんは目を大きく開く。

「グクに利用されているけど、それでもこうやってグクと付き合えている事実は私にとって奇跡みたいなものなんです…っ。だから、自分からこの奇跡を手放したくはないんです。だけど…だけど、いくら好きな人と付き合えていても、利用されてるってなるとやっぱり私も人間なので傷つくしとっても辛いんです…っ。」

私は込み上げてくる気持ちをぐっと抑えて説明を続けた。

「だから、私もこの状況を利用してやろう!って思って。グクの1番近くに居られるこの時が、私がグクに好きになってもらえる唯一の、最後のチャンスだと思うんです。私はこれから半年間、必死で努力します。ダイエットもするし、メイクももっと上手になる。服とか物のセンスも磨くし、性格もちょっとずつ直して、自分で自分を認められるぐらい成長します。そして、グクのことももっともっとたくさん知って、グクの力にもなる。ベストを尽くしたいんです、後悔しないように。」

私は下を向いて、一度呼吸を整えてから、またジンさんの目を見つめて、言った。

「ちょうど今日から半年後、私はグクに告白します。気持ちが伝わったら、それはとっても嬉しいし、もしも振られてしまったら…私は、潔く諦めます。良い結果であれ悪い結果であれ、私は半年後に、この片思いを終わらせます!」

言い切ると、なんだかどっと疲れた感じがしたけれど、心は満足感でいっぱいだった。

ジンさんは、優しく微笑んで、ゆっくりと頷き、

JN『Aはかっこいいよ。僕なんかよりずっと。』

そして、私はジンさんに見守られながら、半年後の12月24日が終わるときにタイマーを設定した。

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sonel(プロフ) - めろんさん» 初出しです…!意図せずどなたかの作品と似てしまっていた場合は申し訳ないです…(T . T) (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - 通りすがりのKさん» お返事遅くなってすみません(T . T) 心を込めて読んでくださって嬉しいです(T . T) 続編も出ておりますのでお楽しみください! (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - このお話って前にも出してましたか? (2021年7月16日 16時) (レス) id: 6374d6be3e (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのK - これまでに無いくらい号泣しました。何よりも主人公が良い子過ぎて…続編も期待しております。 (2021年7月16日 2時) (レス) id: 60b46b46ac (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - やっちょこさん» 優しいお言葉嬉しいです(T . T)そして主人公ちゃんを応援してくださってありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2021年7月3日 0時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sonel | 作成日時:2021年4月3日 18時

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