終わりにしよう、 ページ42
家に着いて、電気も付けずに部屋をかすかに照らす街灯の光を見つめる。
グクとジアさんがキスをしていた、さっきの光景を思い出しては、胸が刺されるようにキリキリと痛んだ。
涙は止まることなんて知らずに、顔も、服も、床も、全てを濡らしていった。
___________
タンクが空になったように涙がピタッと止まり、その代わりに頭がズキズキと痛む。
涙に水分を全て奪われたのか、喉が酷く乾き、水を飲もうと立ち上がった時、インターホンが鳴った。
お隣の人だろうか。たまに、酔っ払って部屋を間違えることがあったから今日もそれだろうかと思いドアを開けると、そこに居たのは息を切らしながら立っているグクだった。
「なんで…？」
JK『話したいことがあるから』
「話したいこと…？」
JK『そう。嫌じゃなかったら、中で話してもいい？ここで立ち話するのもなんか違うかなって…』
「あ、うん分かった…」
グクを家に招き入れ、テーブルを挟んで向き合う形になる。
グクはどう切り出すか迷っているようで、俯きながら悩んでいるようだった。
別れ話だろうか。いや、それ以外あり得ない。やっと好きな人と気持ちが通じ合って、キスまでしたんだから…。
本当に、利用されて終わってしまったんだと思うと、今まで自分を鼓舞してきた綱が切れてしまった。
最初は、ただ一緒の空間に居られるだけで幸せだった。それが時間が経つにつれて、付き合いたいという気持ちを生み、付き合ってからは、両想いになりたいという気持ちを生んだのだった。私は、グクの優しさに甘えて、いつの間にか欲張りになってしまったようだった。
これ以上、グクに甘えてはいけない。これ以上、グクに迷惑をかけてはいけない。本当に好きなら、好きな人の…グクの幸せを、1番に考えるべきだ。
そうとなれば、私に出来ることは一つしかなかった。
「ねぇ、グク。
私たち、この関係を終わりにしよう。」
私の言葉に、大きく目を見開くグク。
JK『いや、ちょっと待っ
「待たないよ、待たなくていいよ、もう。」
「私…知ってたの。グクがジアさんを好きなことも、ジアさんに振り向いてもらうために私と付き合ってることも。」
JK『え…？』
「それでも…私、馬鹿みたいにグクが好きだから諦められなくて。この関係を利用して、グクに振り向いてもらおうって無駄に悪あがきしちゃった…笑」
「でも、それももうこれで終わり。」
「幸せな時間をくれてありがとう。お幸せに。」
「バイバイ、」
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sonel(プロフ) - めろんさん» 初出しです…！意図せずどなたかの作品と似てしまっていた場合は申し訳ないです…(T . T) (2021年8月13日 21時) (
レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - 通りすがりのKさん» お返事遅くなってすみません(T . T) 心を込めて読んでくださって嬉しいです(T . T) 続編も出ておりますのでお楽しみください！ (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - このお話って前にも出してましたか？ (2021年7月16日 16時) (レス) id: 6374d6be3e (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのK - これまでに無いくらい号泣しました。何よりも主人公が良い子過ぎて…続編も期待しております。 (2021年7月16日 2時) (レス) id: 60b46b46ac (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - やっちょこさん» 優しいお言葉嬉しいです(T . T)そして主人公ちゃんを応援してくださってありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2021年7月3日 0時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sonel | 作成日時：2021年4月3日 18時
