時限爆弾 ページ34
時刻は17時。
淡いピンクと水色が混ざり合う綺麗な夕焼けを見上げながら、ヒールの音を響かせて歩く。
ふわりと揺れる新しいワンピースも、いつもより上手くいったヘアメイクも、耳元で揺れるピアスも、ほのかに香る桜の香水も、全てが今日の私を応援してくれているみたいでなんだかうきうきした。
左手にぶら下がっているグクの誕生日プレゼントに視線を落とすと、グクの顔が思い浮かぶ。早く会いたい気持ちでいっぱいになって、自然と歩みが速くなった。
_____________
「グク！」
と声をかけると、微笑んで手を振ってくれるグクに驚いて、一瞬歩みが止まった。今まで2人の間に流れたことがない、甘い空気を感じて、胸が高鳴った。
隣で歩くグクを見つめていると、ブランド物のショッピングバッグが目に入る。チラリと見えた中身にリボンが付いていたから、恐らく誕生日プレゼントだろう。誰からもらったのかな？と考えながら歩いていると、あっという間に予め予約していた目当ての店に着いた。
JK『ヤンコチじゃん！』
「ちょっとお高めのお店と迷ったんだけど…せっかくだし、グクの好きなものの方が良いかなって思って！」
悩みに悩んだ挙句、今日グクを連れてきたのは美味しいと有名なヤンコチ屋さんだった。
JK『めっちゃ腹減ってきた笑』
「いつもお腹ぺこぺこじゃん笑」
そんな会話をしながら席につき、気づいたら目をキラキラさせてメニューを見ていたグクが光の速さで注文を済ませていた。
ビールとお通しを口に運んでいるうちに、やってきたヤンコチ。
テーブルにヤンコチが置かれるや否や、それを素早く掴んで口に放り込んで行くグクが面白くて、愛おしくてたまらなかった。
お腹がだいぶ膨れて、お酒をチビチビと飲みながらグクと他愛もない会話をしていると、とうとう
JK『俺、今日一年分のヤンコチ食べたわ…』
とグクが満足げに言って箸を置いたので、グクにはトイレに行くと告げて、お会計をしに行った。
テーブルに戻ると、入れ替わりでグクがトイレに行ったのでインスタを何気なく見ながら待っていると、あるストーリーが目についた。
“お誕生日おめでとう”という字と共に写っている見覚えのありすぎる後ろ姿とブランド物のショッピングバッグ。
ああ、あれはジアさんからのプレゼントだったのか。そう分かってしまった途端に、全てが崩れていくような感じがした。
そして私はグクを待たずに、プレゼントと一緒にお店を飛び出してしまったのだった。
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sonel(プロフ) - めろんさん» 初出しです…！意図せずどなたかの作品と似てしまっていた場合は申し訳ないです…(T . T) (2021年8月13日 21時) (
レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - 通りすがりのKさん» お返事遅くなってすみません(T . T) 心を込めて読んでくださって嬉しいです(T . T) 続編も出ておりますのでお楽しみください！ (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - このお話って前にも出してましたか？ (2021年7月16日 16時) (レス) id: 6374d6be3e (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのK - これまでに無いくらい号泣しました。何よりも主人公が良い子過ぎて…続編も期待しております。 (2021年7月16日 2時) (レス) id: 60b46b46ac (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - やっちょこさん» 優しいお言葉嬉しいです(T . T)そして主人公ちゃんを応援してくださってありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2021年7月3日 0時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sonel | 作成日時：2021年4月3日 18時
