猫のみぞ知る ページ31
JK『猫、飼い始めたんだよね』
花火大会から時間が経ち、あの時の記憶が日々の中に溶け込んでいった頃、私とグクは夜ご飯を食べに来ていた。
花火大会以降、また少しグクが変わって、自分から話題を提供してくれるようになったことまだ慣れていないけれどとても嬉しくて、グクと過ごす時間がもっと楽しくなった。
「猫?見たい!」
そう言った私に、
JK『ん!』
と言って写真を見せてくれたグク。
「あれ…?ぽんちゃん?!」
その写真に写っていたのは、まさに入学式でグクが助けてあげていて、私もたまに餌やりをしていた子猫のぽんちゃんだった。
JK『ぽんちゃん? いや、こいつの名前はゴン太だけど。』
絶妙にダサい名前に若干引っ張られつつも、猫の模様や目の色を見て、ぽんちゃんに間違いないと確信した私は、
「いや、ぽんちゃんだって!あの公園の近くの茂みに居た子でしょ?この子。」
JK『え、なんで知ってるの?ゴン太だけどさ。』
「だって私結構前から、たまに餌あげてたもん!」
JK『あー、だからたまに猫缶が置いてあったのか。』
「でもなんでぽんちゃん飼うことにしたの?ぽんちゃんのママは?」
JK『ゴン太の母親が死んじゃったんだよ…。死に目を見た訳じゃないけど…1週間ぐらい前に苦しそうにしながらいつもは居ない場所に居て、それ以来ゴン太の所に帰ってきてないから、たぶんそういうことなんだと思う。』
「そんな…ぽんちゃんママ…。」
JK『まだゴン太も小さいし、仲間もこの辺には居ないっぽくてお腹空かせてたから、俺が責任持って育てることにした』
しっかりとした口調で話すグクはなんだか頼もしくて、いつにも増してかっこよかった。
「病院とかはもう行ったの?」
JK『もちろん!病気とかもなくて健康そのものらしい。ワクチンとかも打ったから大丈夫だってさ。』
「良かった!これでぽんちゃんも一安心だね!」
JK『ゴン太ね。』
それからグクはぽんちゃんの写真をたくさん見せてくれた。ぽんちゃんは当然の如く可愛かったけれど、そのぽんちゃんの写真を見せるグクの顔が、今まで見たことのないデレデレな笑顔で、それがとっても可愛かった。
それに、わたしが‘ぽんちゃん’と言うたびに少しムッとして‘ゴン太’と言い直すグクの顔も今まで見たことがなかった。
グクと付き合ってから初めて見る顔。知らない一面を知ることができたみたいで、前より心の距離が近くなったみたいで…カフェラテが、いつもよりも甘く感じた。
コーヒーと決意 ~JM side~→←記憶の掛け違い ~JM side~
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sonel(プロフ) - めろんさん» 初出しです…!意図せずどなたかの作品と似てしまっていた場合は申し訳ないです…(T . T) (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - 通りすがりのKさん» お返事遅くなってすみません(T . T) 心を込めて読んでくださって嬉しいです(T . T) 続編も出ておりますのでお楽しみください! (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - このお話って前にも出してましたか? (2021年7月16日 16時) (レス) id: 6374d6be3e (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのK - これまでに無いくらい号泣しました。何よりも主人公が良い子過ぎて…続編も期待しております。 (2021年7月16日 2時) (レス) id: 60b46b46ac (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - やっちょこさん» 優しいお言葉嬉しいです(T . T)そして主人公ちゃんを応援してくださってありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2021年7月3日 0時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sonel | 作成日時:2021年4月3日 18時