記憶の掛け違い ~JM side~ ページ30
「近所に野良猫の赤ちゃんが居たんです。」
なんで猫の話…？と疑問に思う俺を置いて、Aの話は進んでいく。
「お母さん猫と仲良しで、それがとっても可愛かったからたまに餌をあげてて。でも、入学式の朝いつも居る場所に子猫は居なくて。嫌な予感がしながら大学に向かったら、道路を渡ろうとしている子猫が居て。咄嗟に助けなきゃ！って飛び出そうとしたら、私よりも先に飛び出して、子猫を校門の所までつれて行ってくれた人が居たんです。その人が、グクだったんです。」
その日を思い出しているのか、表情が柔らかくなったA。
「だけど、グクが子猫を助けた直後に倒れちゃって。急いで私が頭を支えたから頭は打たなかったんですけど、全然目を覚まさなくて。」
あれ、この話……？ なんだかとんでもない間違いが起きている気がして嫌な汗が滲んできた。
「周りの人が医務室の先生を呼んでくれて、先生がただの貧血だって言ってたから安心して帰ったんです。その時から、グクのことが頭から離れなくて…笑 名前は知らなかったんですけど、顔はしっかりと覚えていたから必死に探してたらやっと見つけて！なんとか一緒のサークルに入って、グクの優しいところをもっと知って、こんなに好きになっちゃった感じです。笑」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに話すAとは対照的に、俺は最悪の事態が起きているかもしれないと思い気が気ではなかった。
JM『あ、のさ…もしかして、ジョングクが倒れた時にポーチ持ってたりした？』
「ポーチですか…？あ、持ってました！紫色に、うさぎちゃんのピンクのキーホルダーが付いてたから覚えてます！グクが飛び出す直前に、私の目の前の女の人が落としたんです。結局グクを助けてたら渡しそびれちゃって…後から分かったんですけど、あれジアさんのだったんですよ！たまたま持ってるの見かけて、確認してみたらその通りでした笑」
ジョングクから聞いた話と全く同じだった。ただ、大事な所が間違っている。ジョングクを助けたのは、ジアじゃなくて、Aだったんだ…
「あれ、でもなんでジミンさんがこのこと知ってるんですか…？」
Aの声が遠く感じた。これが真実だなんて…もしあれがAだってジョングクが分かっていたら…今頃どうなっていたんだ？Aが…Aがあまりにも不憫だった。
「ジミンさん…？」
俺がAのためにしてやれることは…
JM『A…俺もAの‘最後の悪あがき’の仲間に入れて？』
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sonel(プロフ) - めろんさん» 初出しです…！意図せずどなたかの作品と似てしまっていた場合は申し訳ないです…(T . T) (2021年8月13日 21時) (
レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - 通りすがりのKさん» お返事遅くなってすみません(T . T) 心を込めて読んでくださって嬉しいです(T . T) 続編も出ておりますのでお楽しみください！ (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - このお話って前にも出してましたか？ (2021年7月16日 16時) (レス) id: 6374d6be3e (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのK - これまでに無いくらい号泣しました。何よりも主人公が良い子過ぎて…続編も期待しております。 (2021年7月16日 2時) (レス) id: 60b46b46ac (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - やっちょこさん» 優しいお言葉嬉しいです(T . T)そして主人公ちゃんを応援してくださってありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2021年7月3日 0時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sonel | 作成日時：2021年4月3日 18時
