初めて ~JK side~ ページ23
一緒に帰る約束をしていたAの授業が終わるのを待っていると、ジアさんから突然、
JA “話があるから部室に来てほしい”
とメッセージが来た。
時計を見ると、もう授業が終わる時間で、Aを待たせるのは申し訳ないから‘先に帰って’と伝えて、俺は部室に向かった。
正直、ドキドキしていないと言ったら嘘だった。好きな人に突然呼び出されるなんて、誰もが喜ぶシチュエーションじゃないか？はやる気持ちを抑えて、冷静を装ってドアを開けると、そこにはジアさんが居た。
JA『呼び出してごめんね』
JK『いや、大丈夫っす』
恥ずかしくて目が見れず、地面を見たまま返事をすると、ふふとジアさんが笑うから余計に恥ずかしくて体が熱くなる。
そして、ジアさんは一呼吸置いてから、
JA『…あのさ、』
JK『…はい。』
JA『明日の花火大会、一緒に行かない？』
JK『…え？』
突然の出来事に、体が固まってしまった。
意味がわからずジアさんを見つめると、
JA『だから、花火大会！笑 私、ジミンたちと6人で行くはずだったんだけど男子1人来れなくなっちゃったから、グクどうかなって』
初めてだった。今まで一度も振り向いてもらえなかったのに、ここに来て急にジアさんの方から誘って来るなんて。
JK『なんで俺なんすか？』
期待を、抱かずには居られなかった。
JA『なんでだろうね？笑』
そう言ってはぐらかすように、微笑むジアさん。
その仕草はすごく可愛かったし、とてもずるかった。
すごく、思わせぶりだ。
JK『その答え方は…ずるいです』
二人の間に少しの沈黙が流れた後、
JA『行くの？行かないの？』
と俺の目を見ながら聞いてくるジアさん。
行きます！と答えたかったけれど、脳裏にAの嬉しそうな顔がよぎった。
いくらなんでも、これでAを見捨てるのは酷すぎるんじゃないか。
ジアさんへの気持ちとAへの申し訳なさが頭の中で交錯した。数分悩んだ末に俺が発した言葉は、
JK『…保留で。』
ダサくて中途半端で最低だった。Aにもジアさんに対しても。自分が情けなくて、ジアさんの顔も見ずに部室を出た。すると出てすぐの地面が少し濡れていて、足を取られそうになる。
どこまでもカッコ悪い自分に呆れて大きなため息が出た。
帰り道でも、家に着いてからも、結論は出ることがなくて。ベッドに寝転んで悩んでいるうちに朝になってしまったのだった。
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sonel(プロフ) - めろんさん» 初出しです…！意図せずどなたかの作品と似てしまっていた場合は申し訳ないです…(T . T) (2021年8月13日 21時) (
レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - 通りすがりのKさん» お返事遅くなってすみません(T . T) 心を込めて読んでくださって嬉しいです(T . T) 続編も出ておりますのでお楽しみください！ (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - このお話って前にも出してましたか？ (2021年7月16日 16時) (レス) id: 6374d6be3e (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのK - これまでに無いくらい号泣しました。何よりも主人公が良い子過ぎて…続編も期待しております。 (2021年7月16日 2時) (レス) id: 60b46b46ac (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - やっちょこさん» 優しいお言葉嬉しいです(T . T)そして主人公ちゃんを応援してくださってありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2021年7月3日 0時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sonel | 作成日時：2021年4月3日 18時
