手がかり ~JK side~ ページ14
JM『Aはお前の中身を1番見ててくれた子だと俺は思うよ。そんな子を利用して良かったのかって俺は聞いてるんだけど。』
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ジミニヒョンのあの言葉に、何も言い返すことが出来なかった。だって、それは俺が1番思ってることだったから。
Aと付き合いはじめてから、罪悪感はずっと抱えてきたし、ずっと申し訳ないと思ってきた。それでも…それでも、俺はジアさんのことを振り向かせたかった。
ジアさんを好きになったきっかけは、入学式の日の出来事だった。朝起きた時から、何かおかしいな、とは思っていた。視界が時々揺れたり、冷や汗が滲んできたり。でも、入学式を休むわけにはいかず、なんとか歩いて大学に向かった…が、しかし、あとちょっとで校門に着くというところで、俺は柄にも無く倒れたのだった。
倒れる刹那、俺の頭を支えてくれた女の人がいた。顔はハッキリ見えなかったけど、髪はたぶん長くて、ピンクのウサギのキーホルダーが付いた紫のポーチを持っていた。“大丈夫ですか？”と心配そうな、でも透き通った綺麗な声を発したその人からは、香水か柔軟剤かは分からないけれど、甘くて優しい桜の匂いがした。
目を覚ました時には、俺は大学の医務室のベッドの上にいた。両親が迎えに来てくれて、車に乗って家へ帰った。帰り道でも、ご飯を食べてる時も、寝る前も、俺はずっと上の空だった。ただただ俺を助けてくれた人のことが頭から離れなくて、今すぐにでも会いたかった。俺は、顔も知らない誰かを好きになってしまったのだった。
それから俺は、毎日毎日その人を探した。頼りになるのはあのウサギのついた紫のポーチと、あやふやにしか覚えていない桜の匂い。誰彼構わず匂いを嗅ぐわけにもいかないから、俺はただただ紫のポーチを持っている人を探した。
しかし、そう簡単に見つかるはずもなく…2週間が経とうとしていた時、俺は偶然いつもは行かない学部棟の自習室で課題をやっていた。集中力も切れて、伸びをして周りを見渡していると…そこに、あったのだ。ウサギのついた紫のポーチが。そしてその持ち主は、2年生で1番美人と噂されていたジアさんだった。あやふやだった記憶にジアさんを当てはめると、パズルの最後のピースみたいに、かっちりとはまった。探し求めていた人が見つかった瞬間だった。
それから俺は、自分でも驚くぐらいジアさんにアタックした。同じサークルに入って、何回も告白して。何回断られても諦め切れなかった。
夜風と桜 ~JK side~→←違和感 ~JK side ~
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sonel(プロフ) - めろんさん» 初出しです…！意図せずどなたかの作品と似てしまっていた場合は申し訳ないです…(T . T) (2021年8月13日 21時) (
レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - 通りすがりのKさん» お返事遅くなってすみません(T . T) 心を込めて読んでくださって嬉しいです(T . T) 続編も出ておりますのでお楽しみください！ (2021年8月13日 21時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - このお話って前にも出してましたか？ (2021年7月16日 16時) (レス) id: 6374d6be3e (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのK - これまでに無いくらい号泣しました。何よりも主人公が良い子過ぎて…続編も期待しております。 (2021年7月16日 2時) (レス) id: 60b46b46ac (このIDを非表示/違反報告)
sonel(プロフ) - やっちょこさん» 優しいお言葉嬉しいです(T . T)そして主人公ちゃんを応援してくださってありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2021年7月3日 0時) (レス) id: e14fbab7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sonel | 作成日時：2021年4月3日 18時
