【銀魂】先生と呼ばせてください (ページ7)

今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:61,288 hit

先生と蝶1 ページ7

そこから、僕達と先生は更に懇意になった。

僕と神楽ちゃんは時々揃えて、でも大抵が各々好きな時に先生の元を訪れた。

先生は貰ったらしい野菜を使ってご飯を振る舞ってくれたり、遠出した先で見つけた珍しいものを見せてくれたりした。

先生の所に誰か来ていることもよくあった。何か手伝って貰ったお礼に来ていた人も居たし、ただ遊びに来た人もいた。

ある時は、村の子育て中の母親達が揃って旅行にいくのに、子供たち全員を家に泊まらせていた。

先生は名前を名乗らない怪しむべき人であったにも関わらず、住人達から余程信用されていたと見える。

紅桜の騒動があったりとかで、僕がしばらく先生のところに行けなかったある日、事件は起こった。

僕と神楽ちゃんは、二日酔いの銀さんを放ったらかしにして江戸に出ていた。

人通りのない道を通っていた時。ｶﾞﾝｯと刀特有の音がした。

｢喧嘩アルか？｣

音を頼りに進んでみる。すると、聞いたことのある声がした。

｢質問に答えろ、テメェは何者だって聞いてんだ｣

紫地に蝶の描かれた着流しを見て、僕は即座に逃げようとしたけど、そうはいかなかった。彼に追い詰められているのが、先生だったから。

｢先生から離れるネェェェ！｣

｢神楽ちゃん！｣

神楽ちゃんが一直線に高杉さんに突っ込んでいく。突然の事で高杉さんも驚いたのか飛び退いた。

僕はそのすきに先生の所へ駆け寄る。

｢先生！怪我はありませんか！｣

｢はい、私はなんとも……ですが君達｣

｢話はあとです！｣

神楽ちゃんが先生を庇うようにして高杉さんを睨んだ。

｢どこかで見た顔だと思ったらテメェら銀時の連れじゃねェか、そこを退け、俺ァその女に用があるんだ｣

｢嫌アル、先生を傷付けることは許さないネ｣

｢先生先生って、その女はテメェらの何なんだ｣

｢先生は先生アル。それ以上でもそれ以下でもないネ｣

そんなやり取りを交わすうち、僕の後ろから気配が消えていた。

｢あれ、先生が居ないアル……｣

｢ええっ！？ちょ、先生ェ！｣

｢待ちやがれ｣

2人とも呆気なく捕まった。