先生と先生2 ページ39
その後、突如現れた長谷川さんの助太刀により僕らは一気に上へ向かった。
車も壊れ、また走り出したところで、姉上を見つけた。姉上に瓦礫が降ってくるのをみんなでくい止めた。
姉上は誰から受け取ったのか、見つけたのか、銀さんの木刀を持っていた。
再び立ち上がろうとしたところで、今までにない爆発が起き、銀さん、先生と分断されてしまった。
神楽ちゃんが、瓦礫の山に登りそれを取り除こうと腕を動かし続けた。
神楽ちゃんが瓦礫を退けきる前に、それが吹き飛ばされた。そしてそこに立っていた人物に、僕達は目を奪われた。
先生と、虚と同じ顔をした人が立っていた。
｢松陽先生……｣
僕は松陽先生に駆け寄る。
｢松陽先生、行きましょう。早く！｣
僕が松陽先生の身体を支え、神楽ちゃんと姉上が周囲を警戒しながら進んでいった。
｢何故、虚を生んだ私に……全ての災いの元凶である私に手を……｣
｢困っている人がいたら手を差し伸べ、代わりに金をふんだくる。僕らは坂田銀時にそう叩き込まれてきたんで。
それにあなたが生んだのは虚だけじゃない。僕らの先生を、そしてあの人を生んだ人と、1度話がしたかった。
あなたと銀さんの出会いが、たくさんの出会いを生んでくれた。だからもしこれで世界が終わりになったとしても、僕はお礼を言わせてもらいます。
ずっと言いたかったんです。あなたに、ありがとうって。きっと銀さん達も同じだと思います｣
それから懸命に歩くうち、連絡室のような所に辿り着いた。機械もなんとか動いていた。
画面に、桂さんが映し出された。松陽先生は桂さんに皆の避難を指示した。
｢君達は私が護らなければならない。この区画を隔離するから……｣
逃げろと、そう言いたいらしかった。でも僕達はそれを拒んだ。
｢ごめんなさい、松陽先生。僕らやっぱりこのままいくわけにはいきません。そんなことしたら、万事屋じゃなくなってしまうから。
言ったでしょ、万事屋は報酬ふんだくるまでが仕事だって。
そこに未来があるなら、誰に与えられるでもない、この手で未来ふんだくってくるのが万事屋です｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
