【銀魂】先生と呼ばせてください (ページ35)

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先生と帰還3 ページ35

鯱さんは銀さんに1番に漫画を見てもらうために瓦礫の中からトーンを探し出して漫画を書き上げたらしかった。

でも、銀さんがもう江戸にはいないことに気付いたそうだ。それでも待ち続けて、2年も待った。僕も彼も。

｢だったら、僕に、その漫画の最初の読者にならせてくれませんか｣

銀さんの残したものは何でも心に留めておきたいと言った僕に、先生も頷いた。

僕と先生は一緒に鯱さんの漫画を読んだ。

｢えーと、画力は及第点だけど、それ以外は総じて平均以下ですね、漫画を書き始めて何年ですか｣

｢3年とちょっとです｣

｢じゃ年齢的にももうギリギリですね、先生はどう思います？｣

｢私はこういった俗物に疎くてよく分かりませんが……でも、君が一生懸命書いたのならそれでいいと思いますよ｣

｢俺は面白いと思ったけどね｣

浪人も口を挟んできた。

｢先生は漫画を知らないみたいだからいいですけど……アンタは無責任なこと言わないでください｣

｢チッ……もう行こうぜ鯱。どうせこんな奴に見せても無駄……｣

｢先生をこんな奴呼ばわりとは何様のつもりですかアンタ！｣

｢先生じゃなくてお前！お前だよメガネェ！｣

鯱さんの身体がこちら側に振り下ろされたと認識した直後、僕の意識は飛ばされた。

最後に見えたのは浪人の銀色の髪と、先生の不安そうな顔だった。