束縛愛Part4 (ページ34)

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〜A〜

避難させてもらったのはいいけど、みんな撮影に行ってしまって、結局私は一人でいる

マネージャー？がいるから一人という表現は間違ってた

マネージャー｢櫻井さんのお母様はタレントさんか何かですか？｣

｢タレ、ント……？｣

マネージャー｢えっと、芸能人ってことです。生田さんのような｣

｢高級クラブのママだって言ってました｣

今は知らないけど

子供がいるから昼間から不倫とか出来なさそうだし、ストレス溜まってそう

マネージャー｢そうですか。いえ、すみません。櫻井さんの顔が誰かに似てるような気がして｣

斗真｢A。ちょっといい？監督が呼んでてさ｣

｢あぁ、うん｣

今度は撮影している場所に連れて行かれて、エリカさんの代わりにエキストラというものを頼まれた

顔が映ることはなく、とりあえず廊下を歩けばいいらしい

それならエリカさんでもいいと思う

美人だし

斗真｢向こうまで渡りきったら、そのまま待ってて｣

｢あ………………うん｣

エリカさんが睨んでくるのはどうしよう

斗真｢彼女は気にしなくていいよ。Aは何も気にせず、ただ歩いてくれればいいからね｣

エリカ｢(何であんなブスが……！！私の居場所を奪うなんて許さない)｣

言われた通り、何も考えず渡り切って、ボケーっとしてると遠くから｢OK｣と声が聞こえた

綾野｢あんなにも見向きもされないと普通にショックだ｣

斗真｢いや、いいじゃん。またNGになっても嫌だし｣

訳:1人目のエキストラのせいで撮影が押した

私はもう戻ってもいいのだろうか？

ここにいても邪魔になるだけだろうし

翔｢斗真。すっごい失礼を承知で言うけどさ。絶対に付き合ってないよね｣

斗真｢ほんっと失礼だわ｣

翔｢だって見てよ。全然こっち興味ないよ｣

斗真｢だからそれは、芸能人を分かってないからでかって｣

錦戸｢分かってないを通り越してるから興味ない、やないの？｣

斗真｢翔くんも錦戸も黙って。お願い｣

あっちで楽しそうにしてるし、戻っても問題なさそう

翔｢おーい。A……｣

岡田｢さん｣

翔｢さん。こっちおいでよ｣

呼ばれてしまったら行くしかない

エリカさんが腕組んでくるのは気にしないでおこう

｢ぁ……｣

翔の目は時々、斗真くんと同じ

執着してて、真っ黒で、それは“もしかしたら”と思わせる

でも、そんなことないと自分を言い聞かせる

だってもしも、本当にそうだとしたら、私は……