束縛愛Part4 (ページ21)

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〜翔〜

翔｢お客様。痒い所はございませんか〜？｣

Aの髪を洗ってると、ついそんなことを聞いてしまう

｢ん、大丈夫｣

小さく笑いながら返事をしてくれた

翔｢お湯流すから目、瞑ってて｣

肌にくっついた髪を掻き上げれば、見慣れた火傷が現れる

時々、雨が降ってとてつもなく寒い日は、火傷が疼いて痛いらしい

古傷とかでもよくあることで、年に一度あるかないかのその日、Aは部屋に籠る

俺がその場面に出くわしたのは本当にたった一度だけで、1人は寂しいんじゃないかと思いベッドに腰かけて、ずっと側にいた

何かに怯えるAは、それでも助けを求めることなく俺の手を強く握る

だから俺は｢大丈夫｣って言いながら安心させるように抱きしめた

翔｢体も洗ってあげようか？｣

｢それはいい｣

翔｢恥ずかしがってる？｣

｢あっち向いててよ。自分で洗うから｣

翔｢はいはい｣

Aは本当に超絶ピュアだな

どうせいずれ、互いの裸なんて見慣れるのに

ま、いいや。初々しいA、可愛いし

背を向けながらも、少し首を回してチラッとAを見る

あの首筋に俺のモノって印を付けられたらどんなにいいか

想像すると、実行に移したくなる

｢翔。先上がってる｣

翔｢一緒に浸からないの？｣

｢2人は狭いよ｣

翔｢えーー、そうかなぁ？｣

｢そうだよ。お風呂上がり、何か飲む？｣

翔｢アルコール以外で｣

｢珍しいね。私と同じ白湯でいい？｣

翔｢俺もすぐ行くから用意しといて｣

Aのいなくなった空間はこんなにもつまらない

さっさと洗って、すぐに出た

台所でお湯を沸かすAは、シンクに手をついたまま呼吸が荒々しい

声をかけようとすると、苦しそうな表情に一瞬、息を飲んだ

翔｢A……A！！どうしたの！？火傷痕が痛むの！？｣

今日は特別寒くもない、普通の日

｢いや、違う。大丈夫｣

俺が声をかけたからなのか、Aはいつも通りに戻った

こういうとき、頭によぎる

もしここにいるのが俺じゃなくて斗真なら、Aは話したかもって

｢翔？まだお湯は湧いてないよ｣

火を止めると不思議そうに首を傾げた

翔｢いいから。こっち｣

手を引いて、ソファーに座らせた

翔｢A。話そうか。いっぱい｣

｢え、何を？｣

翔｢決まってるじゃん。まずはね……｣

手を伸ばして前髪を掻き分けると、ハッキリと目が合う

翔｢この火傷、誰にやられたの？｣