束縛愛Part4 (ページ10)

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〜A〜

撮影準備があるとかで、斗真くん達は少しの間待つことになった

他の学年も見に来てプチパニック

先生達が教室に戻るよう促すも誰も動こうとしない

斗真くん達は私達の教室で匿う(待機)

斗真｢もうー！Aに絡まないで下さいよ！お願いですから！！｣

やたら斗真くんの先輩に構われる

女子生徒｢何であんな子ばっかり｣

女子生徒2｢エリカさん！いいんですか！？放っておいて！｣

エリカ｢え、ええ……｣

女子生徒3｢そうだ！いいこと思いつきました！あの女に恥をかかせてやりましょう！｣

斗真｢へぇー。最近の高校生って難しいこと習ってんだ｣

｢そう？｣

斗真｢俺の時はもっと簡単だった｣

｢じゃあ、こういうの聞いても解らないんだ｣

斗真｢解る！え、どれ。これ？｣

｢いいよ。私も解らないわけじゃないから。言ってみただけ｣

斗真｢ほんと？俺に気遣ってない？｣

｢斗真くんに？｣

斗真｢その反応、傷付くんですけど……。これでも俺、れっきとした大人だからね｣

｢でも本当に大丈夫だよ｣

教科書を閉じると誰かが開けた窓から吹いた風に髪が上がって、斗真くんの先輩や他の人にも火傷は見られた

この痕はいつだって空気を悪くする

だから隠してるわけじゃない

自分から空気を悪くしに行くのが嫌なだけ

岡田｢今の……｣

斗真｢事故です｣

先輩の言葉に被せた

斗真｢Aの火傷は事故です。てか、俺その場にいましたから。ね？A｣

｢うん｣

事故……

そうだね。斗真くんはそう思いたいよね

私はどっちでもいい

事故でも故意でも

斗真｢ねぇみんな。Aはさ、人見知りで口下手で、話しずらいかもしれないけど、根はすっごい良い子なんだ。だから、Aと仲良くしてくれると俺はすっごい嬉しいかな｣

女子生徒｢も、もちろんです！｣

女子生徒2｢Aちゃんって大人びてて近寄り難い雰囲気だったんです｣

斗真くんのキラキラした笑顔はいつだって私にだけ向けられていた

あ……そっか

斗真くんは私が好きだから、だから特別扱いをしてくれていた

火傷を負ってからも変わらず接してくれていた

あれらは全部、私を……愛してくれていたからなんだ

それを今になって自覚した

｢そうだ斗真くん。エリカさんと付き合ってるの？｣

エリカ｢Aちゃん！それは……！！｣

斗真｢誰それ？俺にはAがいるから他の人を見てる暇なんかないよ｣