狗巻棘くんは武装探偵になります

18 ページ23

さて、朝に一悶着あったがそれは取り敢えず置いておこう。

時刻は12時を少し過ぎた。
まだまだ探偵としての経験が少ないどころか全く無い棘の仕事は、大抵先輩達のサポートが主である。

例えば今日の棘の仕事は、先輩3人が追っている事件の資料集めなどだ。

敦のように入社間もなくポートマフィアを相手にするのはそこそこ、いや結構………

いやかなり稀である。

敦は何度かポートマフィアとやりあったり誘拐されかけたりしてたらしいが、しかしそれは単なる不運のトラブル。

敦のほうが先輩とはいえ同じ新人同士でも、厄介ごとの数は異なる。

やはり面倒事はないに越したことはないので敦に合掌だ。

まぁ探偵社。
それも武装探偵社ともなれば棘もいずれ……………


というのも取り敢えずまたまた置いておこう。
そんなことより今はお昼の時間。
すなわち休憩時間。
谷崎が下の階にあるカフェに連れて行ってくれるらしい。
先輩の好意は素直に受け取るが吉。

棘から見ても誰から見ても人柄が良さそうな先輩の誘いは素直に嬉しかった。

「そろそろキリついたかな？さっそく行こうか！」

「シャケ！」

休憩が終わればまた仕事。

まだ慣れない事務職は中々に大変だ。

今国木田、太宰、敦が追っている連続の行方不明事件について調べなければならないことがまだ山ほどあるのだから。

















【余談】

仕事の協力者と新人の顔合わせのために敦は国木田と太宰の仕事に同行しているらしい。

なぜ同じく新人である棘が留守番なのか？
理由は至って単純。

移動手段であるタクシーに3人以上乗ることができないからだ。

顔合わせは別に今回でなくてもまたいずれでも問題ないだろうとのこと。

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す