幼なじみに依存されてます【虎杖悠仁】

８８話　新たな一面 ページ41

「自宅マンションのエントランスで、呪霊による刺殺。しかも全員死ぬ数週間前から、同じ苦情を管理会社にチクッてる。オートロックの自動ドアが開きっぱなしだって」



朝からなかなかに重い話をするのは、伊地知さんとは違う補助監督の新田明さんだ。あの日からそこそこ経った今日、一年生のいつものメンバーで任務にあたることになったのだ



「他の住人に心当たりはなかったっス」



「でも、日付も場所もバラバラ。同じ呪霊にやられたんですか？」



恵が新田さんにそんな質問をしているが、それより私だけ資料見れてない！



「私助手席だから見えないんだけど……だれか見せて」



私がそう言うと、即座に恵からタブレットを取った野薔薇が、私に渡してくる。うれしいけどさ、いきなり取られた恵がかわいそうだよ



「へー……特に何もわかんない！」



「あ、俺にも見せて見せて！」



「虎杖は黙ってなさいよ」



「やっぱ俺だけ扱いひどくね？！」



そんなコントのようなことをしている私たちを見て、少し笑っている新田さん。さっきから暗い顔してたけど、こっちのほうが似合うと思うよ！



「なぁなぁ、自動ドアって呪霊のせい？呪霊ってセンサーとか引っかかんの？カメラとか写んねぇよな」



「センサーじゃなくてドアオペレーターの方が、呪霊の影響でバカになったみたいっス」



オペレーターさんかわいそ……じゃなかった、じゃあやっぱり呪霊は写らないもんなんだ


「で、同じ呪霊の仕業かって話っスけど、残穢だけだとちょっと断定はできなかったっス。なんせ時間が空いてるし。そんで、三人の共通点を調べたっス。三人共、同じ中学に二年間在籍してたっス」



「っていうと、昔三人が同じ呪いを受けて、時が経ってそれが発動したって感じ？」



野薔薇の推理に、それ濃厚っス、と同意する新田さん。不思議なしゃべり方だなあ……と思っていると、野薔薇が、褒めて！と言わんばかりの視線を向けてきていた。これは褒めるしかないな



「すごいね、野薔薇！名探偵だ！」



「当然よ！」



私の言葉にうれしそうに返す野薔薇。いつもはなんかかっこいいイメージが強かったけど、かわいいとこもあるな、と野薔薇の新たな一面を知れた

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