めいちゃんの執事〜右目は盲目の少女〜 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:2,197 hit

1 プロローグページ3

本郷家のお嬢様「あなたが都姫寺家のご令嬢さんね。

私は本郷家の跡取り。本郷しおり。

しおりって呼んでほしいわ。」

にこっと、図太い笑みを魅せる。何処となく、計算高い雰囲気がある。自分とは正反対な人格だろうと、べるは、心の中で、呟いた。

『・・・(また厄介役をやらされるのか。僕は。)』

べるは心の中で、毒を吐いた。

そんな呆れて半分と眉を顰め、不愉快そうな嫌な目と、唇を一線に、つむる仕草を、しおりが乗っている車椅子を、後ろから、押している執事の忍が、べるの表情を、ちらりと、視線を、寄越して見つめた。

忍「(ふっ。ようやく会えたようですね。それに、ご丁寧に黒い執事までつれて。威嚇かい、べる)」

忍の全身真っ黒な燕尾服を、纏っているセバスチャンに、次は、視線を寄越した。
すると、ちらりと見つめ合う秒数があり、セバスチャンは、忍の視線が、自身に仕えているお嬢に、そそがれていると、勘繰る。
勘繰ったことが、当たりのようで、汚らしい姿勢を、お嬢に、向けるなと、睨みつけて、威嚇する。

セバスチャンは、睨みつけて威嚇をするが、当の本人は、唇の端を上げ、微笑を浮かべている。

セイバー「・・・・。」

忍「べる様のお隣の執事君。僕はしおり様の第一執事の忍だ。よろしく。」

忍は、敵対心しているセバスチャンに、親切丁寧な自己紹介をする。わざと、ねっとりとした猫なで声で。べるも、驚くほど、甘い調べの声だ。ただ、私はその声を聞くと、あの日を、思い出す。
それは、初めてを忍に、奪われたあの日を。すっと、静かに、べるは盲目の瞳の瞼を閉じた。

目蓋を、閉じて、深呼吸をする。そんな動作を、しおりは、すまし顔で、冷めたような表情で、見つめていた。

しおり「べる。あなたとお話をしたいの。お部屋まで行きましょう。案内するわ。」

忍「では、べる様と執事君。こちらに。」

広いロビーの広間から、奥の方へ向かう。アンティーク調の家具やロビーの床は、ステンドグラスの模様が、縁取りされている。
どことなくイギリスやフランスの家具を、取り入れたような雰囲気のロビーだ。

アンティーク調のエレベーターに、乗って、お目当てのお部屋に向かう。

ーーー

お目当てのお部屋は、本郷家の本部のタワーの室内で、ホールような広さを、誇る一室であった。
どこかの演劇会場のような格式高い雰囲気が、滲み出ている一室。
北欧のホールを、モチーフにしている様子だ。そんな、ホールに、案内されたべるとセイバー。