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都姫家は、古くからのお寺家系。
さまざまなお寺や神社関係に、太いパイプを持つ。
宗教家と揶揄される両親たちを、間近で見ていたべるに
とって、お寺や神社のあり方や歴史的背景を、よくも知らない存在に、言われる筋合いはないと、心に決めていた。
見栄ばかりのパーティーも、時間の無駄のように感じる。
いわゆる「横の繋がり」を貴重としているのも都姫家の重んじる「礼節」なのだろうかと。ただ本郷家のやり方に、なんでもYESを言うほど、親亡き娘ではない。唯一の大人扱いを受けれる存在・執事のセバスチャンだ。
執事のセバスチャンが、大人として外に認識される存在。
建前上の「大人」の「仮面」をつけた悪魔なのだが、仮面であっても、大人の理想に、近しいだろうから。
『欲を言えば
お寺は仏様の御前(ごぜん)。日本の神様の顔に泥を塗った輩がいたのは何故だ？日本の歴史を軽視している者たちがちらほらと在席しておりました』
あくまでも、冷静に「家」の「名誉」と看板を守る令嬢然として、振る舞う。「家」のあり方が、一番として。
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真っ黒なカラスのような姿の執事・2人は、深々と頭を下げている。
謝罪の証。主催者は本郷家だ。主催者の管理不足が、このような事態を招く。
油断していると、想定外の出来事に、対処しきれない。ある程度の事態に、対処出来るように、マニュアルを用意して置く。
どんな時も不安定で、最悪事態に備え、常に計画を細部まで、練る。
【足元を掬われる】この言技のように、常にトラップが、貼られていると思えと思う。
「申し訳ありません。配慮不足でした」
「こちらで注意を払っておきます」
まだ未成年で、これから学生として学園生活を、呑気に全うする令嬢御前で、2人の執事は、頭を下げ、謝罪。
自分よりも年下で、しかも学生。よりによってと、思っているであろう。たとえ、執事でも人間だ。負の感情ぐらいは、ありやまりだろう。
大人が頭を下げる光景は、まさしく滑稽だろう。べるは、目の前の執事・2人を、前にして、まさしく滑稽な姿を、晒している目の前の人間・執事を、真顔でしかも無表情で、正面を向いて、伏目で眺めている。
べるには、目の前の執事・2人が、悪い大人には見えない。
偽善者面をしている節も、ないように、べるの瞳には、写っている。
このような広いエントランスで、大の大人が頭を下げる。
『顔を上げて下さい。大丈夫ですか』
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作者名：ベルモット | 作成日時：2022年7月19日 8時
